2013年10月 4日 (金)

薬師丸ひろ子 35th Anniversary Concert 2013 -2013.10.1

001薬師丸ひろ子の芸能生活35周年記念コンサートに行ってきた。会場は東京・渋谷のオーチャードホールである。

角川映画全盛期を支えた女優・薬師丸ひろ子は私と同い年、近年も「Always三丁目の夕日」など活躍を続け、2013年最大のヒットドラマ「あまちゃん」(NHK)でも話題を集めたことはご承知の通り。
私自身は”アイドル・薬師丸ひろ子”の大ファンであったわけではない。当時、周囲の熱狂は文字通り凄まじいものであったが…。


そんな私も、彼女のまさに鈴をころがすような心地よい美声-これはもうこの上なく大好き!

家内も大ファンである”薬師丸ひろ子の歌”は、(ほんの幾つかしかない)わが夫婦共通の愛好である。つい最近耳にした「あまちゃん」挿入歌にてその美声が健在であることを確信していたこともあり、家内と私はともにこのコンサートを心待ちにしていたのだった。

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果たして、薬師丸ひろ子の歌はやはり素晴らしかった!

聴くものを魅了する彼女の美しい声-美しいだけではなく涼やかで”快さ”が圧倒的な彼女の声。そして単なる歌の巧拙を超えた”表現者・薬師丸ひろ子”の世界に引き込まれてしまう。

往時のヒット曲を次々と歌ってくれたのだが、その歌とともに想い出がよみがえるのではない。彼女の楽曲、彼女の歌自体が、私たちの想い出や時代そのものなのだ。特に大好きな「探偵物語」あたりではジーンと痺れ、視界もぼやけてしまう感覚におそわれた。

   他の皆さんも、「彼女の声こそが、歌こそが聴きたいのだ」という思いは同じだった
      
ようで、大ヒット曲「セーラー服と機関銃」の前奏が始まるや会場中から興奮気味
       に湧き起こった手拍子も、彼女が歌い出すやピタリと収まる
のであった。(!)
   それにしても「セーラー服と機関銃」を歌い終わった彼女に贈られた拍手の大きさ
       は一層際
立っており、ファンの熱い想い入れが感じられた。

そして、コンサートの最後を締めくくったのは私の一番好きな「Woman”Wの悲劇”より」…もうひたすらに感動、その一言しかない。
心を込めて歌いきってくれた彼女に感謝、また感謝。

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これほど心に響くもの、これもまた間違いなく音楽だ!

やはり歌は、音楽は、テクニカルな巧さだけでは絶対に成り立ち得ない。そう確信させる”薬師丸ひろ子の世界”に溺れた、最高の一夜であった。

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2008年4月20日 (日)

上野の森ブラス -2008.4.19. 上野の森コンサート@上野駅

1上野の森ブラス -東京芸大/管楽器専攻の「ほぼ同級生」(Tuba杉山氏談)で結成・活動しているブラス・アンサンブル。1973年に結成され、1979年に現在のメンバーに固まったとのことだが、現存するプロフェッショナルなブラス・アンサンブルとして35年の活動歴=世界最古?の団体である。

今回は、JR東日本による駅コン企画「上野の森コンサート」に同アンサンブルが出演。久し振りにその演奏を楽しんだ。

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上野の森ブラスのメンバーは
Trumpet   織田 準一、曽我部 清典
Horn     澤 敦
Trombone 花坂 義孝
Tuba     杉山 淳

の皆さんである。実は私の大学の吹奏楽団はこの先生方にまるごとトレーナーとしてご指導いただいていた。
P1020160特に、Tromboneの花坂氏(左画像:本日の師匠の熱いソロ)には私の代が幹部を務めた時にお迎えして以来、現在までずっと常任指揮者としてお世話になっている。
まあ私などは、(アマチュア)弟子で身内のようなものであり、当時も現在も「師匠」とお呼びしている。^^)

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学生の頃から、上野の森ブラスの演奏会はよく聴かせていただいた。いつも楽しくて、そして感動した!
プログラム全曲を暗譜立奏!というスタイルからして凄い。(「松田聖子だってできるのに、俺達がやらないのはオカシイ!」というわけで、暗譜立奏することになったとか。)
時には、予めプログラムを一切定めず、100曲以上のレパートリーの中から”本番中に観客が選んだ曲”を演奏するという、型破りなコンサートもあった。

織田 英子(Trp. 織田氏夫人)というスペシャル・アレンジャーの優れた作編曲作品、確かなテクニックと音楽性に支えられた妙技、実に息の合ったアンサンブル、杉山氏の軽妙なMCで進行する演奏会は、いつも堅苦しさを排したうえで、音楽の悦びを確実に伝えてくれるのだ。

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P1020159今日は「ルネサンスのマドリガルとキャロル」「ハンガリー舞曲第5番」「イエスタデイ」「上を向いて歩こう」「上野の森の動物園(動物に因んだ曲のメドレー)」など1時間のコンサート。アンコールは「聖者の行進」で盛り上がる!
おなじみのレパートリーで構成されており、何だか懐かしく、そしてやっぱり理屈抜きに楽しかった。・・・隣で一緒に聴いていた我が息子は、どう感じてくれただろう?

終演後、久し振りに先生方にご挨拶もでき、師匠とはお話もでき嬉しかった。
私個人としては、次回はぜひまた新しいレパートリーを聴かせていただきたいと思っている。楽しみにしておこう。

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Photo上野の森ブラスの音源も紹介しよう。
上野の森ブラスといえば、宮崎 駿アニメ主題曲を集めた「ブラスファンタジア」シリーズが有名だが、私の大好きな1枚は左画像。
”日本の歌組曲””南米のフォルクローレ”が特にお気に入り。

(しかしこのジャケット写真の皆さん、若いなぁー。)

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2007年11月 7日 (水)

ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団、来日! (2007.11.6.)

001半年前からチケットを確保して、待ちに待ったギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(以下ギャルド)の演奏会に出掛けた。
ところは新宿(初台)/東京オペラシティ。会場にはEuph.の某重鎮の顔も見られたし、聴衆の熱気は開演前から強く感じられた。

生まれて初めて聴く生ギャルド!楽員がステージに現れると、私の胸の高鳴りも頂点に達する-。


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ギャルドとは「パリ共和国親衛隊音楽隊」のことであり、1848年創設。フランスの誇る”吹奏楽団の最高峰”に疑いない。

サックスの神的存在マルセル・ミュールをはじめとして、歴代「パリ・コンセルヴァトワールで1等賞を獲得またはそれと同等の能力を持つ者」を楽員資格としているこの優れたバンドの演奏は、管弦楽団と比較しても全く引けをとらない、とされてきた。
本日の演奏もその伝統に恥じない素晴らしいものであり、決して美しさを失わない、ふくよかなサウンドはこの上なく魅力的であった。

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第10代楽長フランソワ・ブーランジェに率いられた2007年現在のギャルドの編成は、管弦楽団と酷似していた。低音以外のサクソルン族やサリュッソホーンは使用されていない。

即ち1・2番クラリネット各群が第一・第二ヴァイオリンの役割を果たし、フルート、オーボエ、ソロクラリネット、バソン、ホルン、トランペット、トロンボーン、テューバは(多少パートのダブリはありながらも)管弦楽団における管楽器群と同じ位置づけである。

低音はサクソルン・バス(ユーフォニアムに似た楽器)、サクソルン・コントルバス(アップライト型テューバに似た楽器)の各群に、3本のストリング・ベースで構成。
※テューバは「オケ」と同じ扱い。サクソルン・コントルバスとは全く違う楽器として扱われている。

これにサクソフォーン群、バスクラリネット、コントラバソン(これはバスーンか?)、そしてE♭クラリネット、打楽器、ハープ、ピアノを入れて総勢75-80人の奏者による編成である。

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本日のプログラムは・・・002_2

セルゲイ・ナカリャコフをソリストに迎え、トランペット・ソロをフィーチャーした内容である。
(ナカリャコフのトランペットは、私のイメージしている「ラッパ」とは違った音と演奏であった。変な言い方だが、まるで別の楽器のよう…。好みは別として、そのかけ離れ方がナカリャコフの凄さではないかとも思う。)

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冒頭からして、サウンド・各楽器の音質に「格」の違いを見せつけられてしまう。私のあまり好きでないR.シュトラウスで始まったのに、ガツンと惹きつけられた。

続いて、今回の目玉
「ディオニソスの祭り」(F.シュミット)
あくまで現在のギャルドの編成による演奏で、特殊な楽器の使用はなかったが、見事であった。流麗な音楽の流れは、高い技量に支えられてこそのものであり、この難曲が難曲に聴こえないのだから凄い。
曲作りは理性的なもので炸裂感はなかったが、一本の音楽の流れに充分な説得感があった。
(尚、殺人的といわれるTimp.の”音換え”だが、Timp.は4台のみの使用で整斉と行われていた。)


ここまでの演奏で、既にストリング・ベースと金管低音の完璧にブレンドされた音色が随所に聴けた。-久しく接していなかった凄みである。
そうだ、自分はこれが好きだったんだ!このサウンドこそ吹奏楽の醍醐味だ!と思う。

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プログラム後半、ナカリャコフの妙技を聴かせたあとの舞踏組曲(B.バルトーク)はピアノを欠いた編曲であったこと、私の好きな楽章をカットした抜粋版であったことが残念。

しかし、(ピッコロ・フルートでなく)E♭クラを最高音域としたアンサンブルで弦パートを表現するギャルドのサウンドは統一感があり、本邦における一般的な吹奏楽団の演奏とは明らかに一線を画す。
こうしたアレンジ/オーケストレーションは改めて吹奏楽のあるべき方向感の一つを示していると感じた。
また(当り前のような気もするが)、歌い方・一つ一つの楽句の奏し方がよくある”吹奏楽節”でなく、管弦楽的=非常に音楽的なものに統一されていることも素晴らしい。

そして、やはり最後の「パリのアメリカ人」(G.ガーシュウィン)こそが最大テンションを示した演奏だっただろう。
クライマックスでは”ブーランジェ・ジャンプ”も。
(おおーっ、飛んだぁー!^^)

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全体を振り返ってみて、個々の奏者のレベルが本当に高いことを痛感。本日の演奏では、中でもオーボエ・ソロが特筆すべき出来映えであった。

アンコールは「カルメン前奏曲」「熊蜂の飛行」から最後の「ラデツキー行進曲」に至るまで実に5曲!の大サービス。スタンディング・オベーションがなかなか出来ない日本の聴衆を前にして、ちょっと勝手が違ったのではないかとは思うが、結果として聴衆の熱狂は伝わったようなのでうれしく思う。

アンコール4曲目は・・・(サウンドからして真島俊夫氏のアレンジと思うが)何と「涙そうそう」!
ドラムセットも入り、ギャルド・サウンドで聴く日本のポップスはなかなかシュール。
でも、天の上の存在であるギャルドも、まごうことなき”吹奏楽団”であることを強く感じた瞬間であり、吹奏楽ファンとして何だか凄く嬉しくなってしまった。
このサービス精神、ボーダレスさが吹奏楽の真骨頂だと思うのだ。

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Photoインターミッションでは、楽員が様子を見に?ロビーに来ていた。
こんな様子も実に「吹奏楽団」的、オケのそれではない。





Photo今回、惜しむらくはもう少しいい席で聴きたかった。会場の端っこであったためだろう、音の分離が悪く(特に最上段のTrp.・Trb.)、残念。やっぱりコンサートはいい席で聴かないとダメ!と思い知った私であった・・・。


いやー、やっぱりギャルドは凄かった!
そして、吹奏楽って楽しい!

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2007年9月 1日 (土)

ブラスト! (2007.8.29.)

Blast_title1予て話題の「ブラスト!」(blast !)に遅ればせながら行くことができた。
何と、とある方からご招待をいただいたのだ。この上ない幸運であった。
※当日のチケット 「blast.jpg」をダウンロード
※「ブラスト!」HPより 「blast_hp.mht」をダウンロード
 

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「ブラスト!」は端的に言えば、マーチングバンドによるステージドリル・ショウをエンターテインメントとして昇華させたもの。登場するのは吹奏楽におけるブラスと打楽器のセクション、そしてフラッグやバトンなどのヴィジュアル・アンサンブルであり、一般のマーチングバンドによるステージドリル・ショウと同じ。

しかし、奏者のレベルが高いのはもちろんのこと、パフォーマンスの徹底ぶり・照明など、ショウとしての極め方が全く違う!ということである。
スネア・ドラムの名手二人(お一人は日本人だ。)によるドラム合戦?が素晴らしく、凄味すらあるものだったことをはじめとして、打楽器群のパフォーマンスは特に優れている。
殊に、後半”Land of Make Believe"の次に演奏された打楽器アンサンブルは大変見事で、思わずBRAVO!の声を飛ばしてしまった!

Blast_01音量・音圧は今回の会場においては、もはや限界。
それでも何とか耐えられるのは奏者の音が”マトモ”だから。各楽器の音色・音質・音程において、吹奏楽やマーチング・バンドにありがちなショボさがないのである。

◇◇◇

「ブラスト!」を観終えて、私個人の感慨- それは、自分は「音楽」による喜びほど大きな喜びを感じることはないのだなあ・・・ということ。

「ブラスト!」は音楽に軸を置いた、総合パフォーマンス・ショウ。こうした形で演るゆえの限界から、音楽自体にはどうしても不満が残る。サウンドもふくよかさを欠くために、身を任せていられないという感覚に陥る。満足し切れないのである。
(終演後、我ながら意外だったが「音楽が聴きたいなあ」と思う自分がいた。)

◇◇◇

周りの観衆の反応は上々!驚いたのは、前半が終了した途端、多くの観衆がざあーっと会場外に出て行ってしまったこと。
何ごとかと思ったら、インターミッションの間に打楽器セクションのメンバーが会場1Fのロビーでパフォーマンスをしてくれるので、それをみんな我先にと観に行ったわけである。相当数リピーターがいることは疑いない。

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2007年5月 4日 (金)

夢と現実 (2007.5.2.)

1_12La Folle Journée au Japon 2007 が5月2日から開幕、会社を午後休暇扱い(実際には90分抜け出しただけだったけど)にして、公演No.112を聴きに出掛けた。




※リーフレット 「lfj_leaflet.jpg」をダウンロード 
※チケット 「lfj_ticket.jpg」をダウンロード

2_19「のだめ」効果もあって幅広くなった聴衆層に、手軽な値段でミニ・コンサートを聴かせていこうというこの試みは面白い。休みでない人もいる日中の時間なのに、大変な盛況である。

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この公演を選んだのは、最近大好きになったラヴェルのピアノ協奏曲が聴けるから!

3_6オール・ラヴェル・プログラムで、「亡き王女のためのパヴァーヌ」→「ピアノ協奏曲」→「ボレロ」の順に演奏。どれも好きな曲ばかりで、心ワクワク。
ステージ中央にスネアドラムを配したのは、やはり「ボレロ」用かな?


いよいよ始まる。久しぶりのコンサート鑑賞に心が高鳴る。
「亡き王女」冒頭や、「協奏曲」第2楽章をはじめとする、ラヴェルの素晴らしい歌が生で聴けたのはやはり嬉しい。いつもテレビで見ていた素敵な女優が、眼前に現れたかのようだ。

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しかし・・・。

「亡き王女」はどの部分でも一本調子に朗々と奏するOboeソロが、曲から深遠さを奪う。「協奏曲」は快速だが、オケは明確さを欠き”回っていない”。拍に追われ、大きな音楽の流れが作れないソリスト。第2楽章最後のトリルが凸凹したのには幻滅を禁じ得ない。
「ボレロ」は舞踊色を非常に強めた個性のあるものだったが、指揮者がバレリーナさながらに踊らんでも・・・。それより、終盤の弦テュッティでサウンドがふわぁって拡がるところ、何故拡がらない?スネアドラムも最終盤で音符の粒にバラつき。何より、Trb.ソロのミスはTrb.吹きの私をがっかりさせた。
全体に、ふくよかな音の束が聴けなかったのが一番残念だった。

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批判するために聴きにきたんじゃない。楽しみたい。でも満足はできなかった。

私が「録音」という、所詮ヴァーチャルな世界で妄想を拡大してきたに過ぎないってことなのだろう。ライヴ演奏は良くも悪くもこんなもの?フランソワやアルゲリッチが一流オケをバックにしても、毎回「録音」のような演奏ができるわけない。ましてやこのクラスのオケが・・・。「良くやった」って感じ?

演奏者はエラく満足げだ。きっとそうなんだ。これが現実なんだ。

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夢を見させて欲しかった。
いつか、ラヴェルのピアノ協奏曲をコンサートで聴いて、エクスタシーが得られる日は来るのだろうか。

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