2015年2月13日 (金)

Fly me to the moon

Evaフライ・ミー・
トゥ・ザ・ムーン


Bart Howard
(1915-2004)








1954年
バート・ハワードが発表した作品で、同年発表の"Let me love you"とともに彼の名曲としてジャズのスタンダード・ナンバーとなった。

Bart_howard_31960
年代にアメリカが推進したアポロ計画の盛り上がりと同期しフランク・シナトラの歌唱によって人気を博したことで知られる。
発表から8年後の1962年にジョー・ハーネル(Piano)のアレンジにより4
拍子のボサノヴァで奏でられたことで評価が高まった楽曲だが、ハワード(左画像)の生み出した原曲は3拍子であり、題名も"In other words"だったという。

シナトラのゴージャスなスウィング、ジュリー・ロンドンのファスト・ボサノヴァ、しっとりと謳い上げるトニー・ベネット、アコースティック・ギターの豊かな音色にハスキーヴォイスが生きるオリヴィア・オングなど、さまざまなアレンジで愛好されそれぞれが魅力を放っている。

私としては-
シンプルだが魅力あふれるメロディがこの曲の“命”、
それを最大限に活かすのが悠々としたテンポの4拍子・ボサノヴァであることは疑いないと思っている。

   【参考・出典】
    「ジャズ・スタンダード100」青木 啓/海野 弘 著(新潮文庫)
    「ジャズ名曲物語」 吉村 浩二 著(スイングジャーナル社)

そしてこのスタンダード・ナンバーが日本においてより幅広い層に浸透したのは、アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」1995-1996 テレビ東京)のエンディング(冒頭画像)に使用されたことが大きい。
編曲は大森 俊之。エンディングアニメーションとともに流れた演奏には多数のバージョンがあり、今や"Fly me to the moon"という楽曲は"エヴァ"と切り離すことのできないものになっていると云えるだろう。

♪♪♪

Trombone_solo001Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and Mars


In other words, hold my hand
In other words, darling , kiss me


Fill my heart with song
and let me sing forever more
You are all I long for
All I worship and adore


In other words, please be true
In other words, I love you

この曲は男性も女性も歌唱している。皆さんはこの歌を“男歌”と思われるか、それとも“女歌”と思われるか?
私には、どうしても「女性の歌」が似つかわしいように思える。夢見がちでロマンティックな歌詞は女性的だし、しかも思い描く情景のファンタジックさの“ぶっ飛び”かたも女性のイメージだ。
(何よりこの曲に…はにかみながらも健気に意を決し、甘美に”迫って”くる可愛らしい女の子の姿を投影してしまうのは、男である私の願望なのかも知れない。)

「私を月につれてって」という突拍子もないお願いごとで始まった歌が、早まる胸の鼓動とともに"I love you"に向かって直截に高鳴っていくのだが、これがメロディに備わった高揚感と見事にマッチしている。
遠回しな言葉が、遂には飾り気のないストレートな愛の告白へと一気に飛び超えていってしまう-その純粋な感情の爆発が、実に品のあるお洒落なメロディに包まれていて洵に乙なのである。

♪♪♪

Basie素敵なこの曲は、多くのミュージシャンに愛された。男女を問わず歌手たちにカバーされ続けているのはもちろん、インストゥルメンタルでもカウント・ベイシー・オーケストラ(アレンジ:クインシー・ジョーンズ/左画像)をはじめとしてたくさんの演奏がある。


Oscar_peterson_2中でもハイセンスさが際立つのがオスカー・ピーターソン(Piano)
であろう。Drums, Bassとのトリオによるその演奏は、ポリリズムの斬新なイントロに始まりグルーヴ感に満ちてキレキレ、このうえなくクール!

♪♪♪

私もまたこの曲の魅力に憑りつかれている。
この曲がもう、たまらなく好きなのだ。

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2013年5月 6日 (月)

Dizzy Gillespie -London Concerts 1965 & 1966

Dvdネット上の動画を何の気なしにあれこれ見ていたら、偶然目に留まった”No More Blues”の曲名。私の大好きなナンバーである。
Photo_1_2…へえ、ガレスピーのプレイの映像なんてあるんだ(私はジャズも大好きだけれど”ジャズ・フリーク”にはほど遠いのだ)-なんて思って視聴したら途端にすっかりハマった。「これは、ちゃんと視たい!」と燃え上がって、DVD及び同音源のCDとを衝動買いしたのだった。

Photp_2ディジー・ガレスピー(”Dizzy”John Birks Gillespie 1917-1993)
は今更私が語るまでもないジャズ界の巨星の一人。
奏する音楽の素晴らしさもさることながら、曲がって宙を向いたトランペットを頬をいっぱいに膨らませて奏する、あの独特のスタイルはあまりにも有名である。

Photoガレスピーはチャーリー・パーカーと並んでモダン・ジャズの原典であるビ・バップ・ムーブメントを推進していった中心的な存在である。(中略)
バップの形成という面では音楽的創造性において、確かにガレスピーはパーカーより劣っていたかも知れないが、その代わりにバップに魅力を与え、バップのスポークスマン的な役割を果たした。彼はバップ眼鏡に山羊髭、それにベレー帽という”ビ・バップ・ファッション”を流行らせ、人々にバップ・ミュージックに対する関心を高めさせた。それに彼の陽気で人なつっこい性格も多くのジャズメンの心を捉えた。ミュージシャンたちはディジーの人柄とその音楽に魅せられ、バップは広まっていったと言える。
トランペッターとしてのディジーはロイ・エルドリッジを出発点とした。それは1937年のテディ・ヒル楽団におけるプレイで明らかである。だがやがて彼は生来の目立ちたがり屋のエキセントリックな性格と独特なリズム感によって、従来の決まりきった音楽的束縛を超えた試みによる奔放で活力に満ちた自由なジャズ表現を積極的に打ち出していった。ここにガレスピー流の新しいジャズ表現が創造されていったのである。
 -「ベスト・ジャズ ベスト・アルバム」(大和 明:音楽之友社)より


♪♪♪

視聴してみると、改めてとにかく素晴らしい!

Photo_3特にやはり”No More Blues”は最高で、実際もう理屈もコメントも必要ない。このカッコ良さ、楽しさこそが音楽だ!ジャンルを超えて普遍的な音楽の愉悦が間違いなくここにある。
(James MoodyのSaxソロを楽しみながらノリノリのパンディーロを奏するガレスピーがまたイケている♪)

達者な腕前もさることながら、演奏を聴いているとガレスピーの全身から、クインテット全体から音楽が溢れ出ているのが伝わるのだ。

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2010年2月21日 (日)

Misty

1953_at_bop_city_in_manhattan_3 ( 1953 Erroll Garner at Bop City in Manhattan )

ミスティー

エロル・ガーナー
(Erroll Louis Garner 1921-1977)


ロマンティックで優しく、そしてとても美しいが、感傷的過ぎない。静かな情熱は、グッと大人の雰囲気を醸しだしている。高揚感は明確に有するのに、雰囲気はあくまでメロウでファンタジック。その名の通りぼやけたムードは、深遠さも感じさせる。時刻的にはもちろん夜が似合い、酒との相性もいい。(できれば洋酒、しかもワインやビールより、ウイスキーやスピリッツの系統が望ましい。)
色彩的にはグラデーションを成す”青”がイメージされる。

-そんな、稀代の名旋律である。
こんな素敵な旋律が浮かんできてしまったら、エロル・ガーナーならずとも「一刻も早く完成させ、楽譜に残したい」と、文字通り飛んでいきたい気持ちになるというものだ。歌詞があってもなくてもその魅力は強く、そしてさまざまな楽器のソロにアダプトされて愛されている。

♪♪♪

1954年にガーナーがニューヨークからシカゴへ移動の機中で窓から雲を眺めていたところ、唐突にこの「ミスティー」のメロディを着想、それを逃すまいという一心で到着後シカゴのホテルに直行し、ピアノに向って仕上げたというエピソードは有名。

これが、”ビハインド・ザ・ビート”(左手のビートにわずかに遅れて右手が旋律(アドリブ)を奏でる)と称されるプレースタイルでファンを熱狂させたガーナーの、最大のヒット曲となったのである。
ガーナーが独学のピアニストであり、楽譜の読み書きが不得手であったということが、楽曲誕生のエピソードをよりミステリアスなものとしている。

      ※参考資料 : 「ジャズ名曲物語」 吉村 浩二 著 (スイングジャーナル社)

魅力ある旋律の持つ”魅力”とは、多くの側面を持つものであり、この曲の魅力は冒頭に述べた通りだ。ジャンル如何にかかわらず、音楽が人心を惹きつけて已まないその最大要素は、「旋律」なのである。
独学ゆえに独創的だったとされるガーナーだが、彼も当然このことを理解していたし、だからこそ”天から降りてきた”「ミスティー」の旋律を、懸命に形にしよう、残そう、としたに違いないのだ。

♪♪♪

後にJohnny Burkeによる詞がつけられ、ジャズ・ヴォーカルの名曲ともなったこの「ミスティー」だが、歌はもちろんのこと、どの楽器で奏しても素晴らしい。TrumpetやSaxはもちろん、Tromboneもイケる。
例えばヘンリー・マンシーニも、違う楽器のソロによる複数のヴァージョンの「ミスティー」を自らの楽団に奏させているが、いずれも実に味わい深い。

    ※ Misty : Johnny Burke
           Look at me, I'm as helpless as a kitten up a tree,
           And I feel like I'm clinging to a cloud, I can't understand,
           I get misty, just holding your hand. 
           Walk my way, and a thousand violins begin to play,
           Or it might be the sound of your hello, that music I hear,
           I get misty, the moment you're near.
           You can say that you're leading me on,
           But it's just what I want you to do,
           Don't you notice how hopelessly I'm lost,
           That's why I'm following you.
           On my own, I would wander through this wonderland alone,
           Never knowing my right foot from my left, my hat from my glove,
           I'm too misty, and too much in love.
           I'm too misty, and too much in love.


ここは原点に還り、ガーナー自身のピアノ・ソロによるアルバムをご紹介しておく。
Beea35e3ERROLL GARNER PLAYS MISTY
”時代”を感じさせる録音ではあるが、まずは一杯、これを呑み干していただきたい。^^) あとは、さまざまな編成・ソロで色々な演奏があるので、それを探して楽しめば良いと思う。(私自身も、その最中である)

♪♪♪

最後に、吹奏楽編曲版も紹介しておきたい。
Photo_2真島 俊夫 編曲
中谷 勝昭cond.
東京佼成ウインドオーケストラ

Flugelhorn(Trumpet)のソロをフィーチャー。中間部に快活なボサ・ノヴァを用いた優れたアレンジで、ラッパに名手のいるバンドにはぜひお薦めしたい。
Photoまた、ソロを各楽器に散らしても良いだろうし、中間部に聴衆から手拍子でも貰えたなら、前後のしっとりとしたジャズ・バラードとの対比も良いので、演奏会のエンディング曲としてもハイセンス。このように、ユーティリティーの高いアレンジでもあると思う。

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2008年10月22日 (水)

London Date / Benny Goodman

Benny_goodmanベニー・グッドマン(Benny Goodman 1909-1986)「スウィングの王様」と讃えられ、知らぬものはないクラリネットの名手。殊に、代表曲 ”シング・シング・シング”(Sing Sing Sing)はあまりにも有名である。

Benny_goodman_bestグッドマンのベスト・アルバムは、私が頻繁に聴く愛聴盤の一つ。
吹奏楽界においても彼のヒット曲はアレンジされて重要なレパートリーとなっているから、実演においてもその世界に多く触れることができた。
”クラリネットはバンドの主役です”は、かのビュッフェ・クランポン社の有名なキャッチコピーだが、クラリネットが主役のベニー・グッドマンの音楽が、吹奏楽にもマッチするのは当然なのだ。

♪♪♪

London_date”London Date”はそんなベニー・グッドマンがビッグバンドをバックに(またはオクテットで)1969年に録音した「歌モノ」アルバム。このたび、本邦限定で紙ジャケCDがリリースされたものである。
「イギリスのプレーヤーたちと演奏してみたい。」というグッドマンの希望で実現したセッションとのことだが、集められたプレーヤーはイギリスのベテラン・ジャズメンばかりであり、成熟した演奏を聴かせてくれる。

収録曲目は下記全11曲。
This Guy's in Love with You, Yesterday,
It's Easy to Remember,
 That My Love,
Octupus's Garden,   I Will Wait for You,
Liza, You Took Advantage of Me,
On a Clear Day,
(What I can Say) After I Say I'm Sorry,
I Talk to the Trees


バート・バカラックやビートルズといった当時流行のナンバーや、「シェルブールの雨傘」といった映画音楽、そしてガーシュウィンなどヒット・ソングの数々である -これにベニー・グッドマンが出会ったらどうなるか?
そんなコンセプトのアルバムだが、これぞ正統というべきアレンジと、非常に美的感覚に優れた演奏とで、名旋律が存分に楽しめる。

もともとベニー・グッドマンの音楽は、自身のクラリネットをはじめとして”美しい音”で聴かせてくれる音楽である。
このアルバムも例外ではなく、クラシックにも通じそうなその美意識が徹底されている。例えば、Drums一つとっても音色やプレイ、アンサンブルにおけるバランスの良さといった”綺麗さ”が、極めてハイレベルなのである。
涼やかだが決して表面的でなく、音楽の愉しさや説得力を欠くことはない -実にカッコいい演奏がそこにはある。

♪♪♪

これもベニー・グッドマンのハイレベルな「余技」の一つというべきなのか・・・。聴き慣れた彼の世界とはちょっと異なるこのアルバムは、肩の力を抜いて、音楽の根源的な愉しみを与えてくれる。

もちろん、グッドマンのクラリネットが奏でる歌は文句なしにゴキゲン!私はこの”London Date”がとっても気に入ってしまったのだ。

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2007年10月 1日 (月)

TRANSIENCE

Insights私の大好きな Toshiko Akiyoshi - Lew Tabackin Big Band の名曲で、アルバム "Insights" (冒頭画像)収録。
敢えて訳すなら、「うつろい」ということになろうか。


すぅぅっと始まるイントロから既に独特の雰囲気があり、そこに登場するTrb.ソロからして大変にメロウなものである。固有のトシコ・サウンドや実に気の利いたカウンターが随所に現れ、またTrp.のハイ・ノートが形成するクライマックスでは、強い音楽的興奮に満たされる。

Transience_3しかし、この甘熟にして都会的なバラードの最大の個性は、全編にバリトン・サックス ソロをフィーチャーしていることであり、ソロを執るビル・パーキンスのプレイこそが聴きもの。
ビッグ・バンドの楽曲で、バリトン・サックスがこれほど存分に歌い上げるものは少ない。

美しく切ない旋律がバリトン・サックスの懐の深さ・魅力を引き出す一方、バリトン・サックスの音色が旋律に生命と個性を吹き込んでもおり、相乗的に音楽をとても味わい深いものとしている。

♪♪♪


Photo_2バリトン・サクソフォーン(Baritone Saxophone)
-。ビッグバンド・ジャズのみならず、吹奏楽でも不可欠な楽器であり、小編成のアンサンブルを含め、一般的な編成に於いてサクソフォーン・パートの最低音部をガッチリと務める。私ども楽団員は親しみを込めて”バリサク”の愛称で呼ぶことが多い。
木管楽器としては最大の部類に入るその堂々たる体躯から、迫力とリズミックさに溢れる低音を聴かせるかと思うと、時に切なく甘い中高音域の音色を繰り出す。

私は最近バリトン・サックス奏者のリーダー・アルバム(Jazz)にも手を伸ばしたのだが、これを聴いて、改めて”バリサク”に惚れ直してしまった。

Night_lightsGerry_mulligan_2Night Lights
ジェリー・マリガン
(Gerry Mulligan)








Blue_serge_1SergechaloffBlue Serge
サージ・チャロフ
(Serge Chaloff)









いずれも、とても素敵!
ジェリー・マリガンNight Lights はボサノバをフィーチャーしており親しみやすく、知的で洒脱との定評ある名盤。例えば2曲目の「黒いオルフェ」あたりは、原曲のポピュラーさとも相俟って、文句なく万人に受け入れられることだろう。
サージ・チャロフBlue Serge は渋さ極まる!こちらもセッション・メンバーの演奏を含め、実に”聴かせる”。

サックスは持ち替えが利くし、彼らの技量ならよりポピュラーな Alto でも Tenor でも当然イケただろう。
”でも俺はBaritoneじゃなきゃダメなんだ!”という想いが確りとあるんだと思う。音楽家の感性というのは不思議だし、それがこうして聴き手に伝わるのだから素晴らしい。

♪♪♪

こうした名曲・名演が再評価され、”バリサク”の魅力が改めてもっと広く伝わってほしいものだ。

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2007年5月30日 (水)

The Groove Merchant

Groove_merchant001

ザ・グルーヴ・マーチャント

Thad Jones Mel Lewis
Jazz Orchestra



Photo_3841965
年の結成から1978年の解散まで、当時のビッグバンド界のトップランナーとして存在していたのが、サド・ジョーンズ=メル・ルイス ジャズ・オーケストラ。(以下サド=メル)

カウント・ベイシー楽団のトランペッターとして活躍していたサド・ジョーンズ(かの”
April in Paris で彼が奏したソロは、もはや伝説的名フレーズ)が、ドラムス奏者のメル・ルイスとのco-lead で活動していたビッグバンドで、楽曲の中にはHornTubaなども加えた拡大編成のものもある。やや荒れた音がするという意見もあるが、私は大好きだ。

当時、既にビッグバンドという形態の運営は厳しくなってきていたというが、その中でこれだけ精力的な音楽を遺したことは驚異的とも思う。サド・ジョーンズが
1986年に、メル・ルイスは1990年に他界し、随分な年月が経った。現在、ビッグバンドという音楽形態はその優れた魅力にもかかわらず、実に細々と存続しているに過ぎない- そんな感がある。私にとって淋しさと残念さ極まる状況である。

♪♪♪

「The Groove Merchant 」はサド=メルの名盤 Central Park North (冒頭画像、1969年リリース)の4曲目に収録、シャッフルの陽気なリズムで聴かせるとにかくゴキゲンな音楽で、私にとって、サド=メルのナンバーの中でも一番のお気に入り。

同楽団の
Sax奏者 J.リチャードソンの作曲だけあって、彼のSoprano Sax をリードに縦横無尽にSaxが吹きまくるソリ(ビッグバンドでは何ていうんだろう?)が圧巻!
Groovemarchant001続くブラス陣のソリも実に爽快!曲想はイージーなムードなのに、涼しい顔してブリブリ聴かせる。いつ聴いても、何と楽しい音楽か!

Groove_merchant002尚、「The Groove Merchant 」
Central Park North のほか、Basle,1969 (右画像)にもライヴ録音で収録されている。

♪♪♪

社会人になって一時ビッグバンドで活動していたある日、楽譜を渡されて練習。「イイじゃん」って思ってたのに、いつのまにかこの曲を演る話は立ち消えとなった。同じサド=メルの
Greetings & Salutations は演ったけど・・・。とても残念だった。いつかまたチャンスがあれば・・・。

サド=メルは
LP時代に多くの録音を遺しているが、まだまだ多くの録音がCD化されていない状態とのこと。
これも残念であり、少しでも多くの
CD化を願うファンは多く、私もその一人なのだった。

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2007年3月 8日 (木)

ルパン三世のテーマ

Lupin_the_bestTheme of
"Lupin the 3rd"

大野
 雄二
Yuji Ohno 1941-)










「ルパン三世」
という漫画作品が誕生したのが1967年。
(「週刊漫画アクション」連載/原作
モンキー・パンチ)
2007年にはちょうど40周年となるのを記念し、”Lupin the Best”(冒頭画像)というCDも発売された。
原作コミックは所謂アメリカン€コミックの影響を受けた個性的な絵柄で、本作を広汎かつ恒久的な人気作品に押し上げたアニメ版より、一回りも二回りもアダルトな作品であった。

アニメ版の登場は
1971年で、これはターゲットを大人に設定していたため、今一つウケなかったそうだ。私の一番古い記憶もこのアニメ版第1シリーズである。田舎では首都圏より大きく遅れて放映されたのだが、確かに友人(小学生)の間では話題にもなっていなかった。※

※尚、このアニメ版第1シリーズの音楽担当は山下 毅雄であり、本稿で採り上げた「ルパン三世のテーマ」の作曲者(大野 雄二)とは異なる。

ただ、個人的には好きで欠かさず見ていたが・・・。「オトナ」な感じに、見ているだけでなんとなくイケナイことへの「踏み越え」感があったのだ。
(小学生のくせに、原作も読んでみたりした!)

登場人物は全部オトナ、峰
不二子なんて全くもって日本人離れしたプロポーション!「色気」なんて本当の意味でわからなくたって、なぜかドキドキ。別に不二子だけじゃなく、「ルパン三世」のキャラクター、ストーリー、気の利いた小道具、スピード感、漫画的なブッ飛び方など全てに、「大人の世界っていいな~。」と憧れた。
それがターゲット年齢を下げた第二シリーズで大ブレイク!(それでも当時のアニメとしては格段に「オトナ」だったけど。)
当時、私は中学生であったが、学習雑誌にすら「ルパン三世」特集が載っていたほどである。

しかし、私にとって最高だったのは中学生の時に見た最初の劇場用作品「ルパン
vs複製人間」”初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします。”という製作趣旨通りのオトナな娯楽作品だった。
(後の「カリオストロの城」の方が遥かに世にウケたわけだが、これは本来の「ルパン三世」とは違う作品だし。)


♪♪♪

「ルパン三世のテーマ」は、世代を超えて本当にウケる。
Lupin_the_3rd_1どこか非合法な、そしてオトナのいけない感じがある曲想になっているのが不思議で、この音楽自体が完全に日本人なのに日本人離れした・・・そう、峰
不二子みたいな楽曲である。
(歌詞のある歌版もあるが)インストゥルメンタルであるにもかかわらず、これほど幅広い年齢層に訴求する楽曲はそうそうあるまい。ウチの子供たちも大好きだ。
Lupin_the_3rd_2
作曲者の大野
 雄二というヒトはジャズ・ピアニストであり、バリバリの”そっちの人”である。他にも「ルパン三世愛のテーマ」や「Love Squall」など、日本人離れした楽曲がイカしてる。

「ルパン三世のテーマ」はどのヴァージョンもホーン・セクションをふんだんに使い、それぞれに味があるのだが、特に本格的な
Fast Swing にしてVibraphone ソロをフィーチャーしたLupin the 3rd '80は評価が高い。演奏するYou & Explosion Band も「日本で最高水準のミュージシャンを惜しげなく登用した」とされ、ハイレベルな演奏を聴かせてくれる。

3_3大野
雄二はYuji Ohno & Lupintic Five などで引続き精力的に活動中である。「ルパン三世」とともに、この「ルパン三世のテーマ」も永遠のものとなったのだ。

※こんなにカッコイイ音楽を聴かせるのに、前述の「ルパンvs複製人間」のエンディングは・・・二人三脚で逃げ出すルパン三世と銭形警部のバックに流れる”ルパン三世音頭”
(ど演歌。歌=三波
春夫、これも大野
雄二作品^^)!
・・・ギャップが凄いっ。この洒落も「オトナだなー。」と思わされた。


♪♪♪

吹奏楽界の方々、もしもお聴きでなければ、
NEW SOUNDS IN BRASS の録音ではなく、ぜひYou & Explosion Band の演奏で「ルパン三世のテーマ」を聴きましょうよ。
やっぱ、違うよ。

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2006年9月27日 (水)

Maynard Ferguson よ永遠に

Maynard_farguson不世出のハイノート・ヒッター、メイナード・ファーガソン。我々ラッパ吹き(私しゃ最低音担当のBass Tromboneだが)にとってTrumpetのハイノートは悪魔的魅力を持つ。人声のソプラノにはどうも馴染めないが、ラッパのハイノートはいつだって最高!


このハイノートをフィーチャーし尽したのが他ならぬファーガソンである。
70歳を超えてもそのハイノートはビンビンに健在だったというから恐れ入る。
(そういえば
1997年の「100人のトロンボーン・コンサート」で聴いたジョージ・ロバーツ、ロイド・エリオットのトロンボーン両御大も相当なご高齢だったが、凄まじくいい音・演奏だった。本当に上手いヒトは年齢関係ないのでしょう。)

Maynard_farguson_mono_1 日本人に膾炙した
Star Treck、クイズ番組で飛行機の窓から見える広大な大地の風景に、これほどマッチした音楽もない。スピード感と無限に拡がりゆく視界感の両方を併せ持っていた。    

ヘヴィーなファーガソン・ファンとまでは言えない私は、スタン・ケントン楽団時代の活躍などは世代的にも知らない。その音楽に出会った時、既にファーガソンはリーダーアルバムでヒットをかっ飛ばし、貪欲にジャンルを超えてカッコイイ音楽を追求し続けていた。些か巨根信奉的なハイノートへのこだわりから評価が別れるとも聞くが、私は彼の音楽が好きで、文字通り”Solid”なハイノートにシビレっ放しなのである。誰もが「とにかくスゲー」と嘆息することだろう。

Farguson_flugel
Birdland中間部のベルトーン的なBrassSaxの掛け合いとか、”Star Treckの終盤Trp.のカウンター(”チュワッチュワッチュワッチュワッ”^^)など、ディテールについても斬新で小気味良い楽句が散りばめられる芸の細かさ。ハイノートで歌い上げるMacArthur Parkなど、ひえーっどこまで行くのよって感じだが、
一方で渋~い
Tenor Saxソロを歌わせたり・・・。思索的な要素は乏しいかもしれないが、音楽的魅力は存分に備えている。
このほかDayride””The Fox Huntなども私のお気に入りだ。

♪♪♪

20069月にも来日公演が予定されていたが、残念ながらチケットは払い戻されることとなった。
-2006823日逝去、享年78歳。直前の7月にはレコーディング・セッションも行っていたというのに・・・。ファンとして心から冥福を祈りたいが、その演奏こそはまさに永遠に不滅。私自身、この機会に未所有のCDも揃えたいと考えている。

Farguson_The_best_of_maynard_fargusonヒット作「征服者」(左)とBest盤(右)。
聴いたことのない方はぜひ一度。

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2006年6月13日 (火)

INTERLUDE

Interlude私の大好きなToshiko Akiyoshi - Lew Tabackin Big Bandの作品で、アルバム「花魁譚(Oiran-Tan)」(左画像参照)収録。



この「インタールード」(INTERLUDE)は、甘美で憂いのあるトロンボーン・ソロ をフィーチャーしたボサノヴァ。

冒頭から終始バス・クラリネットを従えたフルートのファンタジックな音色に彩られているが、トロンボーンとフルートの組合せはアントニオ・カルロス・ジョビンの「標準編成」。ボサノヴァの王道を押さえた上で Toshikoワールドを展開しているのだ。

Interlude_trbsolo_2
楽曲は理屈抜きにイイ。
Charlie_loperソロを執るCharlie Loper(右画像)のメロウな音色が、この旋律の魅力を余すことなく伝えている。
高音域に亘ってかくも涼やかに歌うさまには、トロンボーン吹きの端くれとして思わずため息。トロンボーンの高音域は、オクターブ上の音域を持つトランペットやフリューゲルの中音域と比してテンションがあって心地良いのである。

・・・秋吉 敏子の魅力は「危うさ」だと思う。オーケストレーションにもギリギリの際どい部分があり、その危うさが前衛的で、緊張感も生む。
この INTERLUDE も、演奏してみるとアルトサックス・ソロに続くテュッティなど、敢えて「危ない」オーケストレーションになっていることが判る。本当に際どい。

♪♪♪

Phil_teele「花魁譚」は他にも素敵な曲ばかり。
"Road Time Shuffle"のカウンターパンチの如き活力、"Strive for Jive"の激しいソロの応酬、"I ain't Gonna Ask No More"のコントラバス・トロンボーン(Phil Teele/左画像)のソロ・・・。
最後の"Village"などはジャズというより、もはやボーダレスな現代音楽そのものの域にあると思う。

トロンボーン大活躍のこのアルバム。秋吉 敏子という偉大なミュージシャンが、かくも素敵な音楽を生み出してくれたことに感謝!

(Revised on 2008.7.14.)

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