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2015年2月13日 (金)

Fly me to the moon

Evaフライ・ミー・
トゥ・ザ・ムーン


Bart Howard
(1915-2004)








1954年
バート・ハワードが発表した作品で、同年発表の"Let me love you"とともに彼の名曲としてジャズのスタンダード・ナンバーとなった。

Bart_howard_31960
年代にアメリカが推進したアポロ計画の盛り上がりと同期しフランク・シナトラの歌唱によって人気を博したことで知られる。
発表から8年後の1962年にジョー・ハーネル(Piano)のアレンジにより4
拍子のボサノヴァで奏でられたことで評価が高まった楽曲だが、ハワード(左画像)の生み出した原曲は3拍子であり、題名も"In other words"だったという。

シナトラのゴージャスなスウィング、ジュリー・ロンドンのファスト・ボサノヴァ、しっとりと謳い上げるトニー・ベネット、アコースティック・ギターの豊かな音色にハスキーヴォイスが生きるオリヴィア・オングなど、さまざまなアレンジで愛好されそれぞれが魅力を放っている。

私としては-
シンプルだが魅力あふれるメロディがこの曲の“命”、
それを最大限に活かすのが悠々としたテンポの4拍子・ボサノヴァであることは疑いないと思っている。

   【参考・出典】
    「ジャズ・スタンダード100」青木 啓/海野 弘 著(新潮文庫)
    「ジャズ名曲物語」 吉村 浩二 著(スイングジャーナル社)

そしてこのスタンダード・ナンバーが日本においてより幅広い層に浸透したのは、アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」1995-1996 テレビ東京)のエンディング(冒頭画像)に使用されたことが大きい。
編曲は大森 俊之。エンディングアニメーションとともに流れた演奏には多数のバージョンがあり、今や"Fly me to the moon"という楽曲は"エヴァ"と切り離すことのできないものになっていると云えるだろう。

♪♪♪

Trombone_solo001Fly me to the moon
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On Jupiter and Mars


In other words, hold my hand
In other words, darling , kiss me


Fill my heart with song
and let me sing forever more
You are all I long for
All I worship and adore


In other words, please be true
In other words, I love you

この曲は男性も女性も歌唱している。皆さんはこの歌を“男歌”と思われるか、それとも“女歌”と思われるか?
私には、どうしても「女性の歌」が似つかわしいように思える。夢見がちでロマンティックな歌詞は女性的だし、しかも思い描く情景のファンタジックさの“ぶっ飛び”かたも女性のイメージだ。
(何よりこの曲に…はにかみながらも健気に意を決し、甘美に”迫って”くる可愛らしい女の子の姿を投影してしまうのは、男である私の願望なのかも知れない。)

「私を月につれてって」という突拍子もないお願いごとで始まった歌が、早まる胸の鼓動とともに"I love you"に向かって直截に高鳴っていくのだが、これがメロディに備わった高揚感と見事にマッチしている。
遠回しな言葉が、遂には飾り気のないストレートな愛の告白へと一気に飛び超えていってしまう-その純粋な感情の爆発が、実に品のあるお洒落なメロディに包まれていて洵に乙なのである。

♪♪♪

Basie素敵なこの曲は、多くのミュージシャンに愛された。男女を問わず歌手たちにカバーされ続けているのはもちろん、インストゥルメンタルでもカウント・ベイシー・オーケストラ(アレンジ:クインシー・ジョーンズ/左画像)をはじめとしてたくさんの演奏がある。


Oscar_peterson_2中でもハイセンスさが際立つのがオスカー・ピーターソン(Piano)
であろう。Drums, Bassとのトリオによるその演奏は、ポリリズムの斬新なイントロに始まりグルーヴ感に満ちてキレキレ、このうえなくクール!

♪♪♪

私もまたこの曲の魅力に憑りつかれている。
この曲がもう、たまらなく好きなのだ。

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