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2008年9月25日 (木)

吹奏楽のための民話

2

Folklore for Band
J.A.コーディル
(Jim Andy Caudill 1932- )


アメリカの大手出版社ハル・レナード社が、2008年に再販新譜としてこの「吹奏楽のための民話」をリリースしたのだが、これは日本市場を睨んでの再販なのだという。それもそのはず、この曲は日本で1960-1970年代には圧倒的な頻度で演奏された吹奏楽曲である。「民話」「バン民(”バンドのための民話”の略)」の通称で広く親しまれ、当時吹奏楽に係った人なら誰もが知っているはずだ。

 ※Hal Leonard 社HP:「吹奏楽のための民話」デモ音源の無料DL可能


”技術的には易しく、演奏効果が高い”ゆえに評価された楽曲だと思うが、何といっても最初に現れるクラリネットの低音域で歌われる旋律(冒頭画像)-これが魅力だったのではあるまいか。

♪♪♪

Photo_2コーディルは「ランドマーク序曲」「ヘリテージ序曲」「オデッセイ序曲」など、一貫してスクールバンド向けの技術的にも内容的にも平易な吹奏楽曲を提供してきた作曲家だが、「吹奏楽のための民話」はその中でも群を抜いて支持を集めた。
旋律は教会旋法を用いて中世風のムードを感じさせるとされ、ノスタルジックなのだが、一方でこれを彩る伴奏は大変リズミックであり、その対比が興味深い。
題名の”Folklore”は民話のみならず広く”民間伝承されたもの”を指す言葉であり、コーディルは作品を受け容れ易い音楽としつつも、その意図を確りと伝えることに成功したといえよう。

♪♪♪

堰を切ったように始まる序奏部-。
1曲中でも場面展開に使用されるエキサイティングな楽想である。
これがスネアドラムに導かれて一旦静まると、引続きスネアドラムの大変リズミックな伴奏に乗ってクラリネットが歌いだす。このリズムこそが音楽に生き生きとした生命感を与えていることは見逃せない。
4Tenor Sax.+Baritone(Euph.)も旋律を担当しているのだがあくまで支えに回ってもらい、ここでは何といってもクラリネットのシャリュモー音域の黒々とした音色を存分に聴きたい。

中間部は木管による美しい旋律が提示され、後に金管群に引き継がれる。そのしみじみとした味わいもこれまた日本人好みなのかも知れない。
3コンパクトな再現部を経て、エキサイティングなコーダへ。音圧とスピード感を高揚させ一気呵成に曲を締めくくる。

♪♪♪

広く人口に膾炙した作品の割に録音は少なかったが、中高時代にで吹奏楽に親しんだ世代の回帰/回顧のムードや、前述の通り楽譜が再販されたことを受けて音源は一気に増えた。私としては最初の旋律でクラリネットの音色を存分に聴かせていることを重視しつつ、以下をお奨めしたい。

Photo_3汐澤 安彦cond.
フィルハーモニア・ウインド・アンサンブル

Picc.をはじめとして粗さも目立つ演奏ではあるが、テンポやコントラスト、ダイナミクスの変化など楽曲の演出面は積極的で一つの理想を示す。どうしたら面白く聴かせられるか?への腐心が看てとれる。

Photo_4兼田 敏cond. 東京佼成吹奏楽団

冒頭と終結部の重厚なサウンドは充実感にあふれており、全体にも非常に骨太な「民話」を聴かせている。



Photo_5北原 幸男cond. 大阪市音楽団

たいへん綺麗に整った演奏。旋律の美しさやノスタルジー、この曲のシンプルな良さは充分に伝わる好演。



   【その他の所有音源】
     フレデリック・フェネルcond. 東京佼成ウインドオーケストラ
     山田 一雄cond. 東京吹奏楽団
           丸谷 明夫cond. なにわオーケストラルウインズ [Live]
     木村 吉宏cond. 広島ウインドオーケストラ
           汐澤 安彦cond. 東京吹奏楽団
     加養 浩幸cond. 航空自衛隊西部航空音楽隊
     飯森 範親cond. 東京佼成ウインドオーケストラ [Live]

          
           ※Hal Leonard社デモ音源はこちら
              (上記 木村 吉宏cond. 広島ウインドオーケストラと同一)


♪♪♪

歴史の中で不朽のものと評価されるクラシックの名曲とは異なり、吹奏楽オリジナル曲の多くは、「正しく」「美しく」演奏されるだけで輝きを放つのは難しい。残念ながら吹奏楽曲の太宗は、そこまでの音楽的内容は備えていないと言えるだろう。
(楽曲は自分で演奏することで”特別なもの”になる。演奏参加型の音楽である吹奏楽の曲においては、「演奏したことがある」という体験が聴き手=演奏者に”感動”効果をもたらすのも事実ではあるが・・・。)

しかし、音楽は「演りよう」である。
楽曲の魅力を如何に捉えるか-それが掘り下げられセンス良く演出されたとき、そして指揮者を含めた奏者の情熱が篤く向けられたときに、音楽は想像以上の輝きを示す。それが「感動」である。

「民話」も、正しい音程・美しい音色・揃ったリズム・適正なバランスといったプリミティブな音楽的要素を超えた、”プラスアルファ”が加わることなしには、輝くことなどない楽曲だと思う。
「楽譜を音にした」-その先こそが見たい、聴きたいのだ。

それは、実は如何なる名曲であっても同じである!
「”プラスアルファ”=演奏者の想いに基く音楽への味付け・個性といったものが感じられない演奏」は、「音程・音色・縦の線・バランスなどが整わない演奏」と同等に良くないのだ。つまらない、罪深いとさえ言ってもよいと思う。
そのような演奏を、決して良しとしてはならぬのである。

  ※もちろん確固たる意思の下、敢えて「何もしない、素で」を貫くという
    演出はありうる、為念。


このことは演奏者としてはもちろん、聴き手としても常に意識してシビアに追求すべきことなのだと思う。
(久しぶりに「民話」を聴きこみ、多くの音源を聴き比べてみて、このことを改めて痛感させられた。)

(Revised on 2013.7.1.)

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コメント

はじめまして。
「バンドのための民話」が収録されている「吹奏楽コンクール自由曲集 '75 初級・中級編」のレコードの演奏を聴きながら、タイプしています。

この曲は私が中学・高校・大学と演奏しました。一度絶版になったみたいですが楽譜も全盛期に出版されたのを全パート持っていますし、音源も最近のCDからLPの頃まであります。
今聞いてみると懐かしい、また曲作りの勉強になる1曲ですねぇ。この曲とカーター作曲の「ラプソディックエピソード」はいろいろな場で演奏してきました。

余談ですがこの曲のCDの音源ではコロムビアから発売されていたフェネル指揮/東京佼成W.Oの演奏も個人的にはよかったです。

この曲は世代が変わっても伝えていきたい曲ですね。
ではまた。

投稿: やす | 2008年9月27日 (土) 18時08分

やすさん、コメントをいただき有難うございます。

>フェネル指揮/東京佼成W.O
はい、大変メリハリの効いた魅力的な演奏だと思います。この頃の東京佼成の演奏は引き締まった感じで良かったですね・・・。
単なる「好み」なのですが、このフェネル盤では最初の旋律において”Cl.とEuph.のミックスサウンド”を志向していますので、推薦盤とは致しませんでした。^^)

今後も新旧を問わず、いろいろな曲を採り上げて参ります。どうぞ我が「音源堂」をご贔屓にお願い申し上げます。

投稿: 音源堂 | 2008年9月28日 (日) 00時04分

はじめまして、いつも更新を楽しみに待ち望んで、拝見させてもらっています。

私、最近、HPを作りまして、吹奏楽の楽曲解説をしています。まだまだ、こちらのHPほどには、およびませんが、よろしければ、相互リンクして頂ければと書き込ませていただきました。

演奏会楽曲解説
http://gakkyoku.web.fc2.com/index.html

突然の書き込みで失礼しました。
よろしくお願いします。

投稿: 吹想gaku | 2008年10月 4日 (土) 10時57分

吹想gakuさん、拙Blogにお越しいただき有難うございます。
相互リンクの件、もちろん結構です。わざわざご丁寧にご連絡いただき恐縮でした。今回のお話をきっかけに「相互リンク」の項目を設置しましたので、早速そこに入れさせていただきました。
お互いに頑張って好きな音楽のコト、書いていきましょうね!今後とも宜しくお願い致します。

投稿: 音源堂 | 2008年10月 5日 (日) 00時55分

こんばんは、吹想gakuです。早速の相互リンクありがとうございます。

また、たびたび、こちらのHPを訪問して、私のHPも充実したいと思います。

どうもありがとうございました

投稿: 吹想gaku | 2008年10月 5日 (日) 22時57分

久しぶりに書き込みをいたします。
手長エビ、いつも楽しそうですね。

2年前、20年ぶりに吹奏楽に復帰した際、楽団探しの視点として、「コンクールに強い所」しか思い当たりませんでした(厚顔の至りです)。
名門を自認する団の門を叩いた際、安定した社会人ということで運営者の支持を得たものの、技量面では同じパートの人たちの支持を得られず(劣後は事実です)、初のパート練で3ヶ月後の演奏会の曲を初見で吹かされ、その場で全曲「降り番」宣言を出されました。
私は、イビリ出しは大人気ないなと思いつつ、自分の技量の問題と割り切っていましたが、
その経緯をお話した職業音楽家の方々が、口々に批判をされ、また、落胆を表現されて、正直驚いたことがあります。
30年間自衛隊で指揮をとられていた方が、音源堂さんと同様のことを言っておられ、今だに自分では完全に理解はしていないものの、この歳になってようやく、おっしゃることがわかるような気がしています。
参加型音楽であるが故の魅力と特色、という点も、非常によくわかります。そういう音楽があることはすばらしいと思いますし、逆に、どんなに「上手」でも思いあがることのないよう、自戒しなければと思った次第です。

またアップを楽しみにしております。

投稿: きみ | 2008年10月 6日 (月) 22時36分

きみさん、しばらくです!コメントいただきありがとうございます。

私自身、プレイヤーとしてはそもそも大したことなかった上に、ブランクにより現在は精彩を欠いているというのが正直なところなのですが^^;)、音楽(楽曲・演奏)を判断することについては、年を重ねるごとに進歩できていると自負しています。
演奏活動の中でプロフェッショナルな方々からご指導・ご指摘いただくことで気づくことは多くあり、(上手下手とは関係なく)やはり「実際に演奏すること」が如何に重要であるかということを、つくづく感じさせられております。

最近、コンクールの場などで提示される「優秀な」アマチュアの演奏のみならず、プロフェッショナルの演奏でも「楽譜を音にしただけ」(「楽譜の”求めているもの”を音にする」とは区別して、この表現を使用しています。)といったものが罷り通っているケースが増えており、憂慮して已みません。少なくとも”プロ”には絶対に許されないことです。

一方、聴き手であるアマチュア側も、そのような演奏を高く評価してしまう傾向がありますが、これはいけません。音色・音程・リズムやハーモニー感が素晴らしいなんてのはプロなら当然であり、その先が求められているのですから。聴き手は決して無闇に演奏者を甘やかしてはなりません。そんなことでは良い音楽(楽曲・演奏)が育つことも難しくなると思います。

吹奏楽活動の中心は相変わらず(勝ち負けである)コンクールであり、上述のような傾向は、そこから生じてきているということも否定できないでしょう。全国金賞レベルのバンド並びにその指導者の方々と実際に接した経験から、そう感じてしまいました・・・。

結局のところ、音楽は(異性と同じで^^;)「好み」ですよね。それが千差万別だから面白いとも言えるのですが、少なくとも”無知”はいけません。”不感症”もみっともない。-そういうことだと思っております。

個性的であれば何でもいいのかというと、それも違います。
吹奏楽界がもう一方で履き違えているケースが多いのはこの点です。「個性」は音楽的に共感が得られることが必要で、センスが問われているのです。このことを、例えば岩井直溥先生は「上品な」という言葉で指し示しておられます。

「個性的で上品な」-音楽のあるべき姿を見事端的に表した言葉ではありませんか。私はいつもこのような音楽(楽曲・演奏)を、そこから得られる「感動」を追い求めているのです・・・。

投稿: 音源堂 | 2008年10月 7日 (火) 13時00分

はじめまして。

この曲については、山田一雄/東京吹奏楽団のキング盤が名演だったような記憶があります。特に中間部の、テンポを落とすところなど。CD化されるといいんですが。

投稿: | 2008年10月 8日 (水) 01時12分

ようこそお越し下さいました。今後とも我が音源堂を宜しくお願い致します。

さて山田一雄cond.東京吹奏楽団による3枚の「オリジナル吹奏楽集」は、おそらく当時の吹奏楽演奏に対するアンチテーゼだった作品集だと思います。即ちより音楽的な、より積極的な味付けによる演奏を志向したものでありましょう。その意味で大変興味深い演奏だと私も思います。
ただ、私の好みからすればその「民話」の演奏は、積極性は評価できる一方でちょっと味付けが濃く、粗いという印象を持っております。

ところでこの山田一雄cond.東京吹奏楽団「オリジナル吹奏楽集」のうち「II」がどうしても手に入りません。手許には昔友人からもらったカセットテープにダビングしたものがあることにはあるのですが・・・。引続きネットオークションで物色中です。

投稿: 音源堂 | 2008年10月 8日 (水) 10時21分

1971年にこの曲をコンクールの自由曲(というかB編成なので自由曲だけ)で演奏しました。第2ユーフォニウムだったので、ソロを吹く先輩が病気にでもならないかなぁと思いながら、内緒でソロの練習もしていましたが、残念ながら?先輩は元気で、私がソロを吹くことはありませんでした。でも、コンクール後、先輩が引退した後、「お前。知らない間にうまくなったなあ」と先生に言われたのは、きっと内緒で練習していたせいかもしれません。その後はソロ吹きまくりでしたよ。

投稿: とんこねら | 2008年10月10日 (金) 22時33分

とんこねらさん、コメントを有難うございます。
この「民話」にはやはり多くの皆さんが想い出をお持ちですねー。私を含め皆さんそれぞれの心の中に、それぞれの「民話」が存在しているのでしょうね。その意味でもやはり”名曲”というべき作品でしょう。

投稿: 音源堂 | 2008年10月11日 (土) 09時57分

こんばんは、かなりコメントも多いですね~。それなりにこの曲への思い入れを持った人が多いと言うことでしょう。

思えば吹奏楽へ足を踏み入れた1978年、さすがに全国大会では見られなかった物の、地方のコンクールではこの曲を取り上げる学校・団体が必ず幾つかありましたね。この曲で育てられた方もきっと多かったことでしょう。

かくいう私は、実はこの曲を吹奏楽団として演奏した経験がなくて、ごく友人達と少数で練習がてら吹いた事があるに過ぎませんが、それでもかなり楽しかったし、音楽としても学ぶ物も多かったように思えます。

得てして難易度の高い物が好まれる傾向のある昨今、こういう曲の見直される機会が出てくることを願いたい物ですね。これはこれでしっかり演奏しようとすると中々難しい物です。譜面上で安易に判断してはいけませんよね。再出版は良い機会だと思いますので、これを機にスコアだけでも入手しようかしら。

投稿: mitakasyun | 2008年10月15日 (水) 23時42分

mitakashunさん、コメントを有難うございます。
仰る通りで、今回は予想以上に多くのコメントをいただきました。

自分にも常に言い聞かせているのですが、ひとたび楽曲を演奏するとなったら、何とかその魅力を最大限に発揮できるよう真摯に努力しなければいけませんよね。何より愛情と尊重を持って・・・。
それが良い演奏、感動のある演奏への大前提でしょう。さまざまな音楽の、さまざまな魅力を的確に理解し、それを表現したいものです。(また、聴き手の立場からはそういう演奏こそを聴きたいのです。)

”権威”のある楽曲に対してだけでなく、全ての楽曲をまず前向きに理解しようとするスタンス -これは少なくとも指揮者には絶対的に求められることでしょう。
(もちろん一方で作・編曲者サイドに対しては、それに応えられるだけのクォリティについて、「個性」とは別次元として”充分吟味した上で上梓すること”が求められているわけですが・・・。)

投稿: 音源堂 | 2008年10月16日 (木) 11時25分

 この曲はやはりカキコが多いですね・笑。って僕も
書くんだけど。
 中学校時代に聴いて,イントロのG→Fの和音が
斬新な感じがしたのを覚えています。
 あと,演奏してみると,中間部の金管の四分音符
の連続が結構やっかい。当時の顧問の先生に
「四分音符をちゃんと吹くのは難しいぞ」と言われた
ことを今でも思い出します。

 ところで,クオリティと難易度は「別のもの」です。
この曲は非常に「教育的」で,なおかつ一定以上の
クオリティを保っている好例かと思います。昨今の
ぐちゃぐちゃのヘンテコな曲よりずっと健康的だし
メロディックで明快!・笑。

 こういう「健全な」曲を書いてみたいです。
…死ぬまでに・笑

投稿: すぎ | 2008年10月17日 (金) 01時28分

書けますヨ。いや、絶対に書いていただきたい!
且つ、すぎ先生らしいナウい(死語)ヤツでお願いしたいと思います。( ^ω^ )

投稿: 音源堂 | 2008年10月17日 (金) 12時33分

h-ongendo1964さん、こんばんは。
おひさしぶりです。

ここで紹介されている「バンドのための民話」のCDを
買ってきて聴いてみました。「我が青春の吹奏楽」ですが、演奏も「吹奏楽コンクール自由曲集 '75 初級・中級編」の汐澤安彦指揮/フィルハーモニアW.Eの演奏より進化していてハマってしまいました。こんな演奏が学生時代に演奏できれば、なんて考えながら当時を偲んで聴いていました。

>ところでこの山田一雄cond.東京吹奏楽団「オリジナル吹奏楽集」のうち「II」がどうしても手に入りません。

私はこの「オリジナル吹奏楽名曲集 II」を今月、落札しました。「ヤフーオークション」とは別のオークションサイトで落札しました。ここで紹介された「チェルシー組曲」も収録されています。

ではまた。


投稿: やす | 2008年12月11日 (木) 20時13分

やすさん、どうもです!

「II」を入手されましたか!羨ましい!
そうなんです。チェルシー組曲のたった2つしかない音源の片方なんですよ。良かったですね!

私もアナログ・ターンテーブルを(中古/あくまで”往年の”ですが)名機に買い換えましたので、またアナログ盤を買い進めております。あきらめずに探しまーす!

投稿: 音源堂 | 2008年12月11日 (木) 23時24分

中学1年生の時の自由曲がこれでした。うちの中学は人数が多く、全校生徒1200人、吹奏楽部だけで100人超でしたので、1年生には当然出番など無く、、、、。
最初の地区大会も抜けられず、今考えれば稚拙な演奏だったのかもしれませんが、当時は上級生が演奏していたのをワクワクドキドキしながら聴いていました。

初めて聴いた吹奏楽曲がこれで本当に良かったと思っています。
ちなみに、自分で吹いて初めて背筋がぞくぞくっとしたのは「リートニア序曲」でした。


生意気にも「この曲の楽譜が欲しい!!」と思いながらも、中学生の小遣いで気軽に買えるような物でもなく、コピーはまだ世の中に出始めた頃で、しかも青焼きだから時間もお金もかかるは画質は悪いは。またバンド譜なんか個人でもってどうするんだ、とも思いましたが、やはりこの楽譜が欲しいという思いは抑えきれずに私がしたことは、、、。
「全パート譜の写譜」でした。

楽器店で五線ノートを購入し、それぞれのパートの人から楽譜を借りてはせっせと五線ノートに書き写していました。自分の学校には無い、アルトクラやファゴットのパートまでも、、、。

なるべくきれいに書きたい、と思い、小節線はもとより、音符の棒まで定規で書いていました。
コンプリートしたときは何とも言えない感慨が胸をよぎりました。

今ではその気になれば自分のお金で購入できるようにはなりましたが、まだ買っていません。
この楽譜は、いまでも私の宝物です。

投稿: とらまる | 2009年1月20日 (火) 14時30分

とらまるさん、いいお話ですねえ!

私なんかはド田舎に育ちましたので、(仮にお金はあっても)楽譜やレコードを入手すること自体が大変でした。それでもそれなりに歴史のある吹奏楽部ではありましたから、楽譜はそれなりに所蔵してあり、部室であれこれ引っ張り出しては飽きることなく眺めたのを思い出します。

私も、自分が吹いてみたい曲を選んで1st Tromboneのパート譜を一冊の五線紙ノートにせっせと写譜していました。個人練習の時に吹いてみるのが楽しくて・・・身近にコピーもなかった時代でしたよね、本当に。

投稿: 音源堂 | 2009年1月21日 (水) 11時14分

私も、『バンドのための民話』を小学校の
選抜バンドで、やりました!
とてもかっこいいです!
私が今まで演奏した曲の中で、一番好きな曲です!!
また演奏したいですlovely

投稿: あー | 2009年4月22日 (水) 19時58分

あーさん、ようこそいらっしゃいました!コメントを有難うございます。演奏体験を通じて「民話」が大切な音楽になったんですね。これからもたくさんの曲を演奏され(あるいは聴かれて)、あーさんにとって大好きな音楽がますます増えますように!

投稿: 音源堂 | 2009年4月23日 (木) 10時31分

楽しく拝見させていただいております。

Hal Leonardのデモ音源ですが、2008年再販版(フルスコアのやつ:これも間違い多いのですが)を買うとついてくるCDには「広島ウィンド/木村」と書いてあります。なので、現在WEBで聞けるデモ音源も同じものではないかと思われます。参考までに。

投稿: キター | 2010年8月 5日 (木) 20時36分

キターさん、ようこそお越し下さいました。
私が保有しているHal Leonardのデモ音源はWEBからダウンロードしたものですが、今比較して何度も聴き直しチェックしたところ、キターさんのお話の通り、この音源は木村 吉宏cond. 広島ウインドオーケストラのものと同一であることを確認しました。
情報を有難うございます!
(これに伴い、本稿を修正しております。)

投稿: 音源堂 | 2010年8月 6日 (金) 02時48分

この曲、J.スウェアリンジェンが華々しく日本デビュー(?)するまで、コンクール、特に中学B編成の部門で絶大な人気を誇っていたと思います。

で、その私もその中学B編成の自由曲としてこの曲を演奏しました。というか、その時が私の吹奏楽コンクールデビューでもありました。

当時私はトロンボーン担当で、この曲では1stを吹きました。
その後に打楽器にコンバートしてからも数回の演奏経験があります。

この曲の魅力はなんというか、「なぜだかわからないけれど心の琴線を大きくふるわせる旋律の美しさ」ではないでしょうか?

物悲しいといえばそうなんですが、だからといって悲劇的なわけでもない…。
明るいのとも違うけど暗いというのもちょっと違う…。

とても不思議な曲ですよね。

---
打楽器的にはこの曲はやっぱり小太鼓です。

冒頭部を終えて管の延ばし&decrescに入ったところで出てくる小太鼓のソロ。
そしてそのまま木管をなぞるように小太鼓が追従していき、crescしていく…。
この部分が本当に大好きです。

あとは中間部の有名なタンブリンパート(指ロールがふんだんに使われるアレ)。
そしてそれを支える大太鼓とトライアングル。

本当に、作曲者のセンスの良さに脱帽です。

投稿: HARA-P | 2011年2月 1日 (火) 01時23分

HARA-Pさん、いつもながら打楽器奏者としてのセンス、そして楽器と音楽に対する愛情を感じさせるコメントを有難うございます。
そうですよねー、それぞれの場面に応じ、細部に至るまでキチンと考えて書かれているので、説得力がありますよね!しかも要らないものがコテコテすることはなく、シンプルに完結している。だから、楽曲が”世界”を持っているんだと思います。

投稿: 音源堂 | 2011年2月 1日 (火) 20時37分

1964年に出版された事は判っているのですが、作曲年代が判りません。データやエピソードは無いでしょうか。

投稿: Notenexperte | 2015年2月17日 (火) 21時02分

出版
1965年とする資料もありますが出版社Hal Leonardが1964年と紹介しており、1964年で間違いないでしょう。
作曲
多くの資料が出版年しか記載していませんが…
1964年説-「最新吹奏楽講座」(旧版/音楽之友社)p67にこの曲が紹介されており、1964年作曲との記載があります。(執筆者:村方千之)
1959年説-CD「CAFUA Selection 2008」のリーフレットp6にこの曲の紹介があり、1959年作曲1964年出版との記載があります。(執筆者:鈴木英史)
2008年にこの曲が再版されたのを受けての最新情報という点から、私は鈴木氏の書かれた1959年の作曲というのが正しいと認識しています。

投稿: 音源堂 | 2015年2月17日 (火) 22時09分

俺が中2の秋に、先生が吹奏楽のための民話の楽譜を配り、文化祭で演奏しました。
俺はチューバでした。チューバは俺一人でした。吹奏楽部だったのは中学の3年間だけでしたが、3年間演奏した曲の中で1番好きな曲でした。
当時俺の住んでたのは漁村で、吹奏楽部員は人数は20人くらいでした。あれから26年、当時の部員はどうしてるだろう?
オーボエソロが始まるところからが1番好き。ダブルリードはなかったのでクラリネットの人が演奏してたのだろう。
もう吹奏楽のための民話を聴くことはないと思ってたけど、動画で聴けるとは。インターネット万歳ですよ。

投稿: NT | 2015年6月30日 (火) 21時42分

NTさんコメントを有難うございます。
吹奏楽は音楽のジャンルとしてはマイナーですが、聴くだけでなく演奏する側としても楽しめるところに特質があります。演奏した曲は、演奏した者にとって特別なモノになりますよね。そして「民話」はまぎれもない”名曲”- この曲が末永く受け継がれて演奏され、どの世代にとってもそれぞれに「特別なモノ」となっていってくれればと思っています。

投稿: 音源堂 | 2015年7月 1日 (水) 08時22分

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