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2007年10月 1日 (月)

TRANSIENCE

Insights私の大好きな Toshiko Akiyoshi - Lew Tabackin Big Band の名曲で、アルバム "Insights" (冒頭画像)収録。
敢えて訳すなら、「うつろい」ということになろうか。


すぅぅっと始まるイントロから既に独特の雰囲気があり、そこに登場するTrb.ソロからして大変にメロウなものである。固有のトシコ・サウンドや実に気の利いたカウンターが随所に現れ、またTrp.のハイ・ノートが形成するクライマックスでは、強い音楽的興奮に満たされる。

Transience_3しかし、この甘熟にして都会的なバラードの最大の個性は、全編にバリトン・サックス ソロをフィーチャーしていることであり、ソロを執るビル・パーキンスのプレイこそが聴きもの。
ビッグ・バンドの楽曲で、バリトン・サックスがこれほど存分に歌い上げるものは少ない。

美しく切ない旋律がバリトン・サックスの懐の深さ・魅力を引き出す一方、バリトン・サックスの音色が旋律に生命と個性を吹き込んでもおり、相乗的に音楽をとても味わい深いものとしている。

♪♪♪


Photo_2バリトン・サクソフォーン(Baritone Saxophone)
-。ビッグバンド・ジャズのみならず、吹奏楽でも不可欠な楽器であり、小編成のアンサンブルを含め、一般的な編成に於いてサクソフォーン・パートの最低音部をガッチリと務める。私ども楽団員は親しみを込めて”バリサク”の愛称で呼ぶことが多い。
木管楽器としては最大の部類に入るその堂々たる体躯から、迫力とリズミックさに溢れる低音を聴かせるかと思うと、時に切なく甘い中高音域の音色を繰り出す。

私は最近バリトン・サックス奏者のリーダー・アルバム(Jazz)にも手を伸ばしたのだが、これを聴いて、改めて”バリサク”に惚れ直してしまった。

Night_lightsGerry_mulligan_2Night Lights
ジェリー・マリガン
(Gerry Mulligan)








Blue_serge_1SergechaloffBlue Serge
サージ・チャロフ
(Serge Chaloff)









いずれも、とても素敵!
ジェリー・マリガンNight Lights はボサノバをフィーチャーしており親しみやすく、知的で洒脱との定評ある名盤。例えば2曲目の「黒いオルフェ」あたりは、原曲のポピュラーさとも相俟って、文句なく万人に受け入れられることだろう。
サージ・チャロフBlue Serge は渋さ極まる!こちらもセッション・メンバーの演奏を含め、実に”聴かせる”。

サックスは持ち替えが利くし、彼らの技量ならよりポピュラーな Alto でも Tenor でも当然イケただろう。
”でも俺はBaritoneじゃなきゃダメなんだ!”という想いが確りとあるんだと思う。音楽家の感性というのは不思議だし、それがこうして聴き手に伝わるのだから素晴らしい。

♪♪♪

こうした名曲・名演が再評価され、”バリサク”の魅力が改めてもっと広く伝わってほしいものだ。

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