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2007年2月27日 (火)

Isn't She Lovely  -Stevie Wonder

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今更私が申し上げるまでもないことだが、
スティーヴィー・ワンダー (
Stevie Wonder 1950 
は本当に凄いミュージシャンである。
最初のアルバム”
Fingertips"を上梓したのがまだ幼い1963年、以降全米No.1ヒットは9曲、3作品連続を含むグラミー賞受賞16回…。評価されたのは当然で、単にメロディーの良さとかそういったことだけではなく、彼のアルバムを聴くと実に細部にまで神経の行き届いた音楽作りに感心する、いや圧倒される。

音楽として全てが整っている。ベース・ラインもホーン・セクションのフレーズも煌きに満ち、繰り出される音、リズム全てが”美しい”。本邦のポップスなどを聴いていると、せっかく光るもの、魅かれるものを持っていても”汚なさ”が同居していて、ゲンナリさせられることが少なくない。その意味でスティーヴィー・ワンダーの完成度はとてつもなく高い!

♪♪♪

Isn't She Lovelyは、愛娘の誕生に対する喜びと感謝が爆発するナンバーで、1976年のアルバム”Songs in the Key of Life”に初出、現在もCMに使用されるなど人気の高い楽曲だが、近年アレンジを変えてシングル盤の発売もされた。とてもハッピーな音楽であり、イントロからしてゴキゲンなGrooveぶりで、いつも聴くと元気をもらう。一体どうしたら、こんなゴキゲンな音楽を生み出せるんだろう?

しかも、この素敵な曲すらがスティーヴィー・ワンダーの世界では序の口に過ぎず、心に残る名曲が溢れんばかりに存在するのだ。私にとっての愛聴盤は、長い彼のキャリアの中から生み出されてきた名曲を集めたベスト盤(冒頭画像)で、折に触れて聴いている。理屈抜きに素晴らしい!


   ※お気に入りの曲の中で”
I Wish だけは収録されておらず(残念)、
       これは別の
CDで。

♪♪♪

さて、そんなスティーヴィー・ワンダーの名曲たちを吹奏楽の世界に!という野望(?)から生まれたのが
「スティーヴィー・ワンダー・メドレー」
(杉本
 幸一編曲)
である。

実はこの作品を上梓する前から、長いこと杉本氏と構想(妄想?)を暖めていたことを想い出す。これだけ素晴らしい曲があるスティーヴィー・ワンダーの作品の中から、どの曲を選ぶか?

杉本氏とお話しながら悩みに悩む中、身に沁みて判ったスティーヴィー・ワンダーの凄さ。彼はこれだけ長いキャリアの中で、まるで別のミュージシャンに生まれ変わったかのように、時代に即応して音楽を生み出し続けているのである。

昔の曲をアレンジし直した、という次元ではない。音楽を、「歌」を創るその初手の段階から、時代の空気といったものを確りと捉え、楽曲を送り出している。迎合しているのではなく、まさに自分に取り込んでいると感じさせるところがまた凄い。変幻自在に最先端のミュージシャンであり続けてきたということだ。

こうしたスティーヴィー・ワンダーの変貌ぶりになかなか的が絞れず、杉本氏にも大いに悩んでいただいた結果、より吹奏楽の特質に合致したという観点から、このメドレーはスティーヴィー・ワンダーの初期の作品を中心に編まれることとなった。
創作過程で「”心の愛”でなく”回想(
I Wish)”で行きましょうよ!」などという私の勝手な思い入れを受容れて下さった杉本氏には、心から感謝したい。

スティーヴィー・ワンダー・メドレー
Stevie Wonder Medley
 
My Cherie Amor
   You're the Sunshine of My Life
   I Wish
   Sir Duke
   For Your Love


  編曲:杉本 幸一

  (
Koichi Sugimoto 1958


  発売:ウインドギャラリー

   http://www.wind-gallery.co.jp/wind-gallery.html

S音源:加養
浩幸cond.
土気シビックウインドオーケストラ

”お約束”のバッキングやカウンター・メロディーなども存分に活かし、スティーヴィー・ワンダーの楽曲の良さを発揮させた、素敵なアレンジになっている。ポップス・ステージのトリを飾るにも充分であり、お薦めします!

(ところでこのアレンジが出来上がったころ、「スティーヴィー・ワンダー」すら知らない方々が吹奏楽界には多数居ることが判って、杉本氏ともども愕然としたという逸話がある。
皆が「私、クラシック以外は聴きませんの。」なんてわけでもないだろうし、やっぱり吹奏楽界の人たちには、「音楽を聴く」というプリミティブなことをもっとやって欲しいと思わされた。音楽に対してもっと興味を持つべきというか…。
決してスティーヴィー・ワンダーの曲を演奏するために、じゃなく、それが自分の演奏や音楽生活に必ずプラスになるのだから。)

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コメント

吹奏楽でIsn't She Lovelyというと真っ先に思い出されるのが98年のゴールデンドリームスペシャルコンサートでしょうか。

淀川工業高校、伊奈学園総合高校、愛工大名電高校による3校合同演奏、ソリストに須川展也、エリックミヤシロ、MATAROを迎えた楽しい演奏会のアンコール、ゲストも含めまさにフルメンバーでのIsn't She Lovelyはすさまじい演奏で今でも忘れられません。CDが廃盤になってしまったのが残念ですが。

投稿: okada | 2008年6月23日 (月) 19時04分

okadaさん、コメントを有難うございます。
Live演奏の熱狂は実に得難いものですね。しかしながら、最近そうした演奏に出遇うことが少なくなりました・・・。

投稿: 音源堂 | 2008年6月23日 (月) 21時30分

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