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2006年12月13日 (水)

ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ

Photo_189La forme de chaque
amour change comme
le Kaleidoscope

天野
正道
Masamicz Amano
1957
-)


「愛は万華鏡のように」-邦題をつけるならこんなイメージだが、標題はあくまでフランス語のままとしてほしいというのが作曲者の意向。
日本語にすると、どうしても語感が垢抜けないという要素も大きいだろうが、モーリス・
ラヴェルやジャック・イベールをはじめとするフランス音楽へのオマージュとも云えるこの楽曲には、やはりフランス語標題が相応しいと私も思う。

人類愛、親子の愛、男女の愛、屈折した愛、普遍的な愛、などなど「愛」には色々な形があるのでしょう。その、それぞれの愛のかたちが万華鏡のごとく変化する事もあるのかもしれません。この曲はそういった「愛の形」をテーマにして書いた曲です。曲の雰囲気も万華鏡のように変化していく様に構成されています。」
(作曲者コメントより)

♪♪♪

幻想的で緩舒な楽想が支配的だが、勇壮でエキサイティングな楽想も挟んで、非常に多彩な音楽が展開される。
序奏の旋律もそうであるが、最初に現れる
Oboeソロからして美しく切なく、そして実に”色っぽい”。
001邦人作品として、かように品と色気を兼ね備えた
旋律を持つ楽曲は稀有である。

また、
M.ラヴェル/「弦楽四重奏曲」さながらのサクソフォン・アンサンブルが効果的にフィーチャーされており、曲中最大の聴きものとなっている。全編に亘り、ソプラノ・サックスは大活躍!私の大好きなソプラノ・サックスの音色をたっぷりと楽しめるのはうれしい。ハープや打楽器群も贅沢に使用しており、絢爛豪華だ。

終盤の変拍子も、吹奏楽のオリジナル曲としては非常に個性的なムードを持っており、それが突如旧ブレーキをかけ、甘美な旋律を壮大に歌い上げる再現部に突入していく。そしてもう一度勇壮な楽句を挟み、チャイムの鳴り響くコーダで更にヴォルテージを上げると、最後は”C”の和音で絵に書いたような大団円となる。

♪♪♪

作曲者「天野
 正道」の名に初めて接したのは中学生時代、秋田南高校の全日本吹奏楽コンク-ル自由曲のアレンジャーとしてである。「ペトルーシュカ」「春の祭典」、そして現代の邦人作品・・・。私の知らない音楽の世界を教えてくれた。
前衛的なもの、日本的なもの、映画音楽的なもの、フランス的なものとその作風は多岐に亘り、変幻自在。今や、天野作品の吹奏楽レパートリーに占めるウエイトは極めて大きいものがある。

♪♪♪

音源はこの曲の委嘱者である
佐川
聖二cond.創価グロリア吹奏楽団
のもの(冒頭画像)しかない。
Live盤なので疵も少なからずあり、譜面を完璧に音にしたとまでは言えないが、好演である。特に最後のコードの響きは洵に見事。

この「ラ・フォルム
-」、実際に演奏すると相当に大変な曲であり、なかなかこのレベルの演奏はできないことが判ってくる。

♪♪♪

・・・実は従来、私の好みとしては、
天野作品に今一つしっくりこないものがあった。
ところが、この曲を実際に演奏したことを契機に、他の天野作品についても格段に親しめるようになったから不思議なものである。
「その世界の内側に入った」という感じだろうか?
そんな意味でも「演奏する」ということは、やはり非常に大切なのである。

(Revised on 2008.8.10.)

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