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2006年12月23日 (土)

ザ・カウボーイズ

Photo_201The Cowboys
J.ウイリアムズ
(
John Williams 1932-)
/J.カーナウ
(James Edward Curnow
1943
-)




映画音楽の世界で史上最大の巨匠となったジョン・ウイリアムズの名と、その音楽の魅力を知らない者はいない。
何といっても「スター・ウォーズ」、そして「ジョーズ」「
E.T.」「レイダース」「スーパーマン」「シンドラーのリスト」「ジュラシック・パーク」「プライベート・ライアン」「ハリーポッター」・・・。現在までにアカデミー賞ノミネート実に45回、内受賞5回の金字塔である。
また、米国開催のオリンピックに提供された音楽も素晴らしく、特に
1984年ロサンゼルス・オリンピックのための”Olympic Fanfare and Theme"は強く印象に残る。

万人の心に響く魅力的なメロディと、聴かせどころをピタリと定めた曲創りが映画音楽の要件を具備している一方、スケールが大きく多彩な彼の音楽はクラシック音楽との壁を崩落させ、ボーダレスなジャンルを創出したとも言えよう。

♪♪♪

その彼は、ジョン・ウェイン主演の西部劇映画11人のカウボーイ」(1971の音楽も担当している。
この「
11人のカウボーイ」のサウンドトラックこそがS.スピルバーグ監督を魅了し、以降のスピルバーグやルーカス作品への音楽提供→大ブレイクへと繋がるきっかけとなったとのことである。

映画はジョン・ウェイン演じる牧場主ウィルの
400マイルに及ぶ牛移送を巡る事件、そしてその荒野横断に同行する11人の少年カウボーイの成長と、ウィルとの心の交流を描いたもの。
(映画の詳細 : http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD4376/index.html

♪♪♪

本稿で紹介するのはその「序曲」。(したがって「カウボーイ序曲」との邦題もある。)

急-緩-急の三部形式による明快な音楽で、J.ウイリアムズの魅力を満喫させる感動的な一曲。快活な金管楽器の
16分音符のファンファーレと、それに呼応するシンコペーションを効かせた伸びやかな楽句で生き生きと開始。
The_cowboys_1_4西部劇の舞台となる雄大な自然の姿を描写するが、快活なメロディと憂いを帯びたメロディが交互に現れ、その対比が更に音楽の奥行きを創出している。

中間部は荒野での夜営の描写だろうか-ハープの伴奏と
Oboeの美しいソロで提示された旋律は、やがて高い高い夜空に奉じるかのように全合奏で歌い上げられていく。
The_cowboys_2そしてファゴット・ソロによるブリッジを挟んで快活な音楽が戻り、ダイナミックな楽想は一気に終結へと向かう。

♪♪♪

吹奏楽編曲は「交響三章」「ミュタンザ」「オーストラリア民謡変奏曲」など自身の名作でも高名なジェームズカーナウ。カーナウは「ミッドウェイ・マーチ」「リバティー・ファンファーレ」等のJ.ウイリアムズ作品の編曲も手掛けている。

本邦では
1987年の全日本吹奏楽コンクールで、福岡工業大学附属高校が採り上げて以来、吹奏楽のレパートリーとして定着した。

♪♪♪

Cd_1音源は吹奏楽版にこだわらず、
ジョン・ウイリアムズ
cond.
ボストン・ポップス管弦楽団
の自作自演盤(管弦楽原曲)を聴くことをお薦めする。同時収録された他のJ.ウイリアムズ作品も素晴らしいので、まさにお買い得の
1枚だ。

J_siena吹奏楽版をぜひ、というのならば
金 聖響cond.
シエナ・ウインド・オーケストラ

の素晴らしい録音が発売になったので、こちらを。
同時収録の「ハリーポッター」より”クィディッチ”のブラスアンサンブルは実に見事な演奏!シエナの金管はイケる!


(Revised 2008. 8. 15. )

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コメント

にみにみと申します。以後見知りおきください。
 この曲のタイトルですが、「11人のカウボーイ」という邦題で公開されている映画の劇伴なのですから「11人のカウボーイ」序曲とするのが正しいとおもってますが、いかがですか?

 そのセンでいくと、アーノルドの「第6の幸運をもたらす宿」 も「六番目の幸福」と呼称すべきとか他にもいろいろありますが。

投稿: Rにみにみ | 2007年1月11日 (木) 18時09分

にみにみさん、初めまして。

私はこの曲の表記には「ザ・カウボーイズ」(スコア標題通り)を使用することにしております。
外国曲の標題については、結局のところ限界があります。古い時代に訳され、必ずしも正しい訳でないにもかかわらず定着してしまったもの(「平和の祭り」「呪文とトッカータ」など)もありますし、マーケティングの観点からあえてこうつけたのかなと思われる邦題もあります。
(そして、中には「威風堂々」のように見事な邦題もあります。)

検索サイトを介してお越しになる方もいらっしゃいますので、私はなるべく多くの邦題、そして原題を併せて表記するよう努めています。
「カウボーイ序曲」につきましてはご指摘の通り、正確な訳でもないし、一方マーケティング的にカッコいいわけでもないし、良くないと私も思っておりますよ。

今後とも当ブログをどうぞご贔屓に!宜しくお願い致します。

投稿: 音源堂 | 2007年1月11日 (木) 21時26分

にみにみです。
たとえば、「カウボーイ」序曲は知らないけど「11人のカウボーイ」という映画なら知っている、「第6の幸運をもたらす宿」という曲はしらないけど「第六の幸福」という映画なら知っているという聴衆を取りこぼすことにならないかな、と思っています。参考音源に提示されいる自演盤のクレジットも「11人のカウボーイ序曲」になってますよね?この2曲はまだ「想像」できるとしても、「平和の祭」と「太平洋の祭」が同じ曲とは想像しにくい。ましてや、「パシフィック・セレブレーション」組曲だってありますしね。
 もっと刺激的な書き方をすると、「また、よく調べもしないで、勝手な訳題つけやがって」と思わないでもないです:-)
 まあ、最終的に同じ曲だというのがわかればいいんですけどね。

 てなところで、また機会があれば書き込ませてもらいます。

投稿: Rにみにみ | 2007年1月12日 (金) 00時52分

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