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2006年12月 9日 (土)

弦楽四重奏曲  M.ラヴェル

Mravel_1_2String Quartet in F
M.ラヴェル

(Maurice Ravel  18751937
I.  Allegro moderato - Tres doux
II.  Assez vif - Tres rythme
III. Tres lent
IV. Vif et agite





吹奏楽に出会うまで音楽に対する興味がほとんどなかった私にとって、吹奏楽でトランスクリプションを演奏する管弦楽曲はともかく、「弦楽合奏曲」など遠い存在のものだった。しかし近年、漸く心底「いいなぁー」と楽しめるようになってきた。

「弦楽器の演奏を聴く」-これが管楽合奏である吹奏楽の演奏にあたっても示唆に富むことは事実なのだが、そのために聴くわけではない。純粋に弦楽合奏曲を聴く楽しみを満喫できるようになってきたのである。そして楽曲を聴くたびに、弦楽四重奏は一切の無駄を排した、簡潔かつ完成された合奏形態だと痛感させられる。

このジャンルは私にとってまだまだ未開拓なので、今後も多くの素敵な楽曲に出会えることだろう。

♪♪♪

そんな私のハートをぴたりと捉えたのが、このラヴェルの弦楽四重奏曲ラヴェル20代後半の1902~1903にかけて作曲された、彼唯一の弦楽四重奏曲である。
微妙な関係であったとされるC.ドビュッシーも激賞した作品だけあって、本当に素敵。(あまりに気に入ったので、スコアを買ってしまった!)
当然、極彩色であるわけはないが、ラヴェルらしく艶々として香り高く、表情を変え濃淡を変え、幻想的でとても奥行の深い音楽。そしてとにもかくにも、抒情性にあふれた旋律のよさが天才的!

4楽章どれもイイのだが、ほのぼのとしているのに芯のある第1楽章が、私は殊のほか好き。
11小編成の特性を存分に活かした縦横無尽な「歌」が、確りと心を捉える。管楽器では感じることのできない、また違った音楽の喜びをくれるのだ。

♪♪♪

Ravel_2お薦め音源は、Alban Berg Quartett の演奏。定番中の定番だが、上手い、綺麗はもちろんのこと、何より音楽のスケールが非常に大きい。凄い!



4_7もう1枚が Juilliard String Quartet 、これも定番。技術や音色に、ではなく「音楽」に自信が満ち溢れた演奏で、聴き手に対する求心力が極めて強い。第1楽章の和音の音の拡がりには唖然、もはや次元が違う!


この他には・・・
4naxos_2_2Ad Libitum Quartet

ルーマニアのアンサンブル。廉価なNAXOS盤だが、楽曲の良さは確実に伝わる。合奏団としてのポリシーは確りと感じられるが、音質の線がやや細いか。入門としては充分。

4_4_2Quartetto Italiano

ヴァイオリンの高音が充実。軽やかな足取りで音楽を前に進めるが、その分抒情性はコントロールされている。

4_5Talich Quartet
良くも悪くも、大人の演奏といった印象。落ち着いた音楽運び。


4_6Quatuor Viotti
生命感が強く、生き生きとした印象。表現が積極的。



♪♪♪

これから先も、如何なる個性の演奏に出会うことができるだろう?
・・・そう思うだけでワクワクしてくる私なのであった。

(Revised 2008. 8. 10.)

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