Maynard Ferguson よ永遠に
不世出のハイノート・ヒッター、メイナード・ファーガソン。我々ラッパ吹き(私しゃ最低音担当のBass Tromboneだが)にとってTrumpetのハイノートは悪魔的魅力を持つ。人声のソプラノにはどうも馴染めないが、ラッパのハイノートはいつだって最高!
このハイノートをフィーチャーし尽したのが他ならぬファーガソンである。70歳を超えてもそのハイノートはビンビンに健在だったというから恐れ入る。
(そういえば1997年の「100人のトロンボーン・コンサート」で聴いたジョージ・ロバーツ、ロイド・エリオットのトロンボーン両御大も相当なご高齢だったが、凄まじくいい音・演奏だった。本当に上手いヒトは年齢関係ないのでしょう。) 日本人に膾炙した”Star Treck”、クイズ番組で飛行機の窓から見える広大な大地の風景に、これほどマッチした音楽もない。スピード感と無限に拡がりゆく視界感の両方を併せ持っていた。
ヘヴィーなファーガソン・ファンとまでは言えない私は、スタン・ケントン楽団時代の活躍などは世代的にも知らない。その音楽に出会った時、既にファーガソンはリーダーアルバムでヒットをかっ飛ばし、貪欲にジャンルを超えてカッコイイ音楽を追求し続けていた。些か巨根信奉的なハイノートへのこだわりから評価が別れるとも聞くが、私は彼の音楽が好きで、文字通り”Solid”なハイノートにシビレっ放しなのである。誰もが「とにかくスゲー」と嘆息することだろう。”Birdland”中間部のベルトーン的なBrassとSaxの掛け合いとか、”Star Treck”の終盤Trp.のカウンター(”チュワッチュワッチュワッチュワッ”^^)など、ディテールについても斬新で小気味良い楽句が散りばめられる芸の細かさ。ハイノートで歌い上げる”MacArthur Park”など、ひえーっどこまで行くのよって感じだが、
一方で渋~いTenor Saxソロを歌わせたり・・・。思索的な要素は乏しいかもしれないが、音楽的魅力は存分に備えている。
このほか”Dayride””The Fox Hunt”なども私のお気に入りだ。
♪♪♪
本2006年9月にも来日公演が予定されていたが、残念ながらチケットは払い戻されることとなった。
-2006年8月23日逝去、享年78歳。直前の7月にはレコーディング・セッションも行っていたというのに・・・。ファンとして心から冥福を祈りたいが、その演奏こそはまさに永遠に不滅。私自身、この機会に未所有のCDも揃えたいと考えている。
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