INTERLUDE
私の大好きなToshiko Akiyoshi - Lew Tabackin Big Bandの作品で、アルバム「花魁譚(Oiran-Tan)」(左画像参照)収録。
この「インタールード」(INTERLUDE)は、甘美で憂いのあるトロンボーン・ソロ をフィーチャーしたボサノヴァ。
冒頭から終始バス・クラリネットを従えたフルートのファンタジックな音色に彩られているが、トロンボーンとフルートの組合せはアントニオ・カルロス・ジョビンの「標準編成」。ボサノヴァの王道を押さえた上で Toshikoワールドを展開しているのだ。
楽曲は理屈抜きにイイ。ソロを執るCharlie Loper(右画像)のメロウな音色が、この旋律の魅力を余すことなく伝えている。
高音域に亘ってかくも涼やかに歌うさまには、トロンボーン吹きの端くれとして思わずため息。トロンボーンの高音域は、オクターブ上の音域を持つトランペットやフリューゲルの中音域と比してテンションがあって心地良いのである。
・・・秋吉 敏子の魅力は「危うさ」だと思う。オーケストレーションにもギリギリの際どい部分があり、その危うさが前衛的で、緊張感も生む。
この INTERLUDE も、演奏してみるとアルトサックス・ソロに続くテュッティなど、敢えて「危ない」オーケストレーションになっていることが判る。本当に際どい。
♪♪♪
「花魁譚」は他にも素敵な曲ばかり。
"Road Time Shuffle"のカウンターパンチの如き活力、"Strive for Jive"の激しいソロの応酬、"I ain't Gonna Ask No More"のコントラバス・トロンボーン(Phil Teele/左画像)のソロ・・・。
最後の"Village"などはジャズというより、もはやボーダレスな現代音楽そのものの域にあると思う。
トロンボーン大活躍のこのアルバム。秋吉 敏子という偉大なミュージシャンが、かくも素敵な音楽を生み出してくれたことに感謝!
(Revised on 2008.7.14.)
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