2010年8月27日 (金)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 9&10

「のだめカンタービレ」グランド・フィナーレ-。
アンコール・オペラ編もAKT10で終了。楽しませ続けてくれたこの傑作は、実にそれらしい終幕を迎えた。充分な余韻を残し、前向きで爽やかな、そして愉快で幸福な最終回に、ただただジーンときた。
まさに素敵な音楽を聴き終えた、そんな感動を堪能させてくれた二ノ宮所長に心から感謝したい。
とにかく、良かった-。

♪♪♪

いよいよ本番が近づき、自らの音楽、自らの表現への意欲を剥き出しにする個性的な演奏者たち。それを持て余し、完結感・掌握感を得るに至らぬままステージに臨む破目になった真一を救い、説得力のある音楽とそれを実現させた真一の覚悟・ブレークスルーを呼び込んだ、「魔法の鈴」はいったい何だったか-?

Photoそれが”のだめ”に他ならなかったことが、私にはこの上なくうれしい。
のだめの奏でるチェレスタが、演奏者たちに、そして真一に魔法をかけたのだ。

目を輝かせている一般聴衆のみならず、プロにも
「『安い』のかもしれないけど 全然いいじゃないか!」
と認めさせた峰の演出の中でも、この「魔法の鈴」は圧巻の名演出!

覚醒し、覚悟を決めたことで天才・真一の力量は遺憾なく発揮され、圧倒的なパミーナ/菅沼のアリアを導き出し、この初オペラは成功を収めるのだった。

真一にとっては、指揮者として必ずしも納得のいくステージではなかったが「音楽は一回だけしか存在しない」(by 佐渡 裕)ことを思えば、この”奇跡”もまた”音楽”以外の何物でもないということだろう。

♪♪♪

初オペラを巡る冒険の全てが終わり、漸く二人きりとなった真一とのだめが、ラストシーンへと向かう。…これが、また実にイイ!

それなりに紆余曲折のあった二人だが、それでも真一との共演を、真一の振るオケの中に入ることを、ずっと夢見ていたと穏やかに告げるのだめは、我々読者が信じた通りの姿だった。
そして、真一のさりげないが真摯で、真っ直ぐな約束-。もう、何も言うことはない。

ラストは真一の”約束”に彩られ、輝くのだめの手。
そうだ、出遭いの頃に真一を惹きつけた、のだめのあの大きな手だ。

♪♪♪

988それでも読者は確かめたい。揺るぎない真一とのだめの愛を…。
二ノ宮所長は、それにもキッチリ応えてくれた。

本作完結の記念すべき”Kiss”の表紙は、幸福に満ちた二人のキスシーン!
本編を読み終えた今、この表紙が改めて大きな安堵、そして幸福感をもたらさずには、いない。

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2010年7月13日 (火)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 7&8 (w/#24)

「あとは 千秋だ !!」
いつの間にか、真一の爆発を待っている-。

アンコール/オペラ編がいよいよ佳境へと向かう中、ストーリーは予想外の展開を示してきた。

♪♪♪

そもそも白い薔薇歌劇団”魔笛”公演は、真一の手腕とカリスマがその支柱であり、前提であったはず。事実、苦悩する杏奈の様子までも把握し、フォローできていたし、真一がこのオペラチームを牽引してきたことに変わりはない。
  (「ホント 女って なにで 立ち直るんだろ いつも いつも 」
      と真一が思わずボヤくほど、杏奈はとっとと再び立ち上
      がってしまったのだが…。)


しかしオケ練が始まると、逆に真一を焦燥が襲う。

勉強魔・練習魔の真一にとって、充分な時間が取れない。焦る真一は、なんと峰に説教される始末。
ヒィィ  by のだめ)
そして、初めてとなるオケピットの指揮台に違和感を覚えて焦りは頂点に達し、ついには峰に八つ当たりしてしまうのだった。

24
まず、そんな真一を鎮めたのは、のだめのセーラー服コスプレ ”愛妻弁当”。^^)
「なぜか 弱っている時に 出てくる…」と真一自身、まんざらでもない様子なのが実に微笑ましい。

「そうだ 最初からうまくいったことなんか
 ひとつもなかった」

そして、漸く落ち着いた真一を突き動かしたのは、やはり「音楽」のパワー=懸命に良い音楽・良い舞台を自らが創ろうとする、プレイヤーたちの放つパワーだ。
真一の、また新たな覚醒は近い!

思えば杏奈を立ち直らせたのも、それぞれにさまざまな境遇を乗り越え、自負をもって一心に歌い、そして演じる歌手たちの姿と「音楽」だったではないか。
そのことが「音楽」の力を信じる者として、私にとっても凄くうれしい。

♪♪♪

河野けえ子の指導(?)も効いて、真一とのだめの恋も磐石。あとは本当にオペラ”魔笛”の成功だけである。

決定的な”魔法の鈴”の音が、真一にはどんな形で鳴り響くだろうか-。
ワクワクしながら、その瞬間を待つ私である。

♪♪♪

24_2本アンコール編については、のんびり楽しませてもらっているつもりだが、改めて24巻を読み返すと、あっという間に惹き込まれて離れられなくなってしまう。

つくづく、単なるアンコールの次元は遥かに超えた後日譚を「のだめカンタービレ」は語っているのだと思う。

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2010年4月24日 (土)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 5&6

Photo軽妙で笑いに溢れたオペラの音楽創造の過程に併せ、独り先行くのだめと、真一や他のまだ若き音楽家たちとの”距離”を描くAKT5&6である。

判っていることだけれど、エリーゼからその”距離”を宣言された真一には、図らずも苦笑の表情が浮かぶ。その「先を越された-」の独白は、のだめの凱旋リサイタルの会場では「おいおい おまえ今 ひとりで どこまで 行ってるんだよ -」に変わっている。
その思いは真一だけではない。才能は疑いなくも未だ開花を待つ黒木くんや真澄ちゃんをはじめとするキャラクターたちが、聴衆がみなのだめの演奏に圧倒されている。
中でも、一際深刻な表情なのが杏奈である。真澄ちゃんの荒っぽくも力強い励ましにも、その表情に陽が射すことはない。彼女は苦悩を抱えて帰国していたことが、色濃く示唆される-。

二ノ宮所長が、予定を変更してこの追加連載の拡大を決断した理由がはっきりした気がする。「アンコール オペラ編」は、音楽と深く向き合った「のだめカンタービレ」の紛う方なき続編であり、ストーリーは深化しているのだ。

♪♪♪

858真一の音楽に対する情熱と、楽才に対する愛情=博愛は揺るぎなく、遂には菅沼ぶー子にまで並々ならぬ手のさしのべ方。真澄ちゃんやのだめならずとも、のだめに”取り憑かれた”時と同じ光景にデジャヴを感じるのは、読者も同じである。こうした笑いの中にも、真一の人間としての質の高さが感じられ、暖かい気持ちを湧き起こさせてくれる。

当然、他にも笑いは満載!
菅沼のドタバタ・ダイエット、菅沼の取り憑きに危機感を深めるのだめとそれに呆れる真澄ちゃん、相変わらずの峰のバカっぷり、リサイタル会場に押し寄せた野田一族。オリバーもちゃあんとのだめについてきているし…^^)
地味なところでいえば、せっせと共に針仕事に励む真澄ちゃんと杏奈の奇妙な連帯感も実に微笑ましい。「のだめ」が持つ”サウンド感”が途切れることなく、それがウレシイ☆

次回、「打上げ」(結納?^^)の場面は描かれるんだろうか?さぞやハチャメチャで、また色んなことがありそうだが…。

♪♪♪

あえて堅苦しく云えば、のだめが嘗て覚えていた焦燥を今は真一が感じている。アンコールで暴走するのだめの変態ぶりに呆れてはいながらも、真一のその思いは間違いないだろう。
標榜する”愉快さ”を充満させ、読者に不安を感じさせることなく暖かさを維持しながら、ストーリーは充実するばかり。

この”アンコール”は過剰感なく、そして懐の深い大きな作品となりそうだ。

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2010年3月 8日 (月)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 4

オペラ演出家としてのデビュー(?)に邁進する峰の本気は、なかなかに愛おしい。金銭面では相変わらずのすねかじり状態、初登場の”夜の女王”=峰ママにすがって舞台装置のグレードアップを図るも、即座に却下されるさまは如何にもカッコ悪いのだが、いつものようにどこまでもハートは”熱い”。

  ※ 真一曰ク「峰が女装してる…」^^)

♪♪♪

Chara1峰は「魔笛」をどうしたかったのか?
「このオペラは笑っていいんだって雰囲気を出したいんだよ  わかりやすく… たぶん うちのお客さんはオペラ初心者が多いだろうからさ」
この一言こそが峰の真骨頂。
この言葉に、歌劇団員たちもそれを理解し、モチベーションの高まりがさぁーっとさざ波のように広がっていく。何と心地よい場面だろうか!

そして賢明な真一はというと…とっくの昔に峰の考えていることが判っていて、さりげなく(かつ恥ずかしそうに)峰を励まし、そして的確にフォローしていたのだった。なんだかんだ言っても、真一の峰に注ぐ視線は暖かいのだ。
(そうそう、真澄ちゃんも衣装で(も)支えてくれてる!)

♪♪♪

787音楽は、結局「世界」が作れているかどうかである。
演奏者を一流で揃えた完璧なテクニックの名演だけが唯一無二のものであり、それ以外は無価値なんてものでは断じてない。一流二流、プロアマ関係なく、そこにその時集結したメンバーが、音楽を通じて自分たちの「世界」はこうだ、って示せた時にこそ音楽は意味を持つし、感動が生じるのだ。

躓きながらも「白い薔薇歌劇団」は峰の演出のもと、自分たちの作る「世界」のために、「やれることはやらないと  なんでも!」と心を一つにした。きっと個性的で説得力のあるステージが現出するはずだ。
そして、音楽において「個性」と並んで大切な「上品さ」は、もちろん真一が確りとコントロールするだろう。心配ない。^^)

♪♪♪

奏者が互いの音楽で触発しあい、
より高い次元の音楽へ-。

これもまた何と心地よい情景だろうか。それによりまた覚醒したのだめのモーツァルトが、”恩返しコンサート”で両恩師(ハリセン&谷岡)の目を細めさせている情景は、これもまたなかなかに愛おしい。

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2010年1月30日 (土)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 3

AKT3で”白い薔薇歌劇団”はいよいよ立稽古に入った。
のだめが真一との恋仲を吹聴する
”夢色☆クラシック/NODAMEインタビュー”のシーンを織り込んだせいもあるが、キャラクターたちの”白目”が実に延べ50を超えるハイテンションな回となっている。
そんな中で二ノ宮所長は、一つの音楽を創り上げるのに必要となるさまざまな要素を描きこんだ。

題材が歌劇なので尚更だが、指揮者・真一とともに演出家・峰も苦闘する。単にプレーヤーが個々に素晴らしく歌い奏でるだけでなく、それらを結集し、演出されてこそ音楽が高次元へ押し上げられることが、改めて示されるのだ。

♪♪♪

Main_bg2”全部「笑い」…”なのはともかくとして、峰は峰なりに通貫した演出思想を持ち、ディテールにまで”粘着”する。そのため膠着した練習を、全体を俯瞰し先に進めるよう一喝する菅沼(ぶー子)。両者の、その両方ともが音楽を創り上げるに必要な要素。

あの菅沼に、この”全体俯瞰”というプロデュースセンスと”仕切りきる”押出しの強さが備わっていたことには驚く。まさに真一も顔負けである。これは単なるプレーヤーの域を超えており、こういう存在もまた音楽創りには不可欠なのだ。
(あ、あと衣装を「何とかしている」真澄ちゃんもいた。^^)
こーゆーヒトがいてくれるから「何とかなる」のである、
ホント。)

-とはいえ、峰の演出は歌手たちから”素人”扱い。これを如何に打開するかが見どころの一つになってきた。楽しみ!

♪♪♪

のだめは…浮かれているようで、ロンドン響との2度目の協演もしっかり成功させていた。CLASSIC LIFE のインタビューは恋愛話へどんどん脱線したけれど、まさに”世界のNODAME”なんだね!
彼女の凱旋公演もますます楽しみになってきた。

二ノ宮所長はこっちも確り描きたいとの意向であり、「番外編」の延長を決定したそうだ。望むところであり、思う存分描いてくれたらイイと思う。

…しかし、もし CLASSIC LIFE に”スクープ”が載ったりしたら、真一の”白目”ぶりは、また尋常じゃないだろーなぁ。
ひぃぃぃぃ^^)

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2009年12月26日 (土)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 2

特に連載終盤、愉快さを保ちながらも”音楽”というものをシリアスに描ききった「のだめカンタービレ」。
しかし、「のだめ」は稀代の音楽譚であったともに、心憎い”恋愛譚”でもあった。そのことを改めて想い起させるオペラ編・AKT2である。

♪♪♪

自称・R☆S副指揮者=大河内にぐちゃぐちゃ(?)にされた歌手チームに耐え切れない真一は、オケとの初合せをすぐさま打ち切り、歌手チームの建直し特訓に入る。

…かくして?オケは真昼間から宴会となったが、そこでも話題は黒木&ターニャが攫っている。コンクールで結果を出し、ドイツのオケに転じる黒木くんは、その場で「一緒に来てほしいんだ」とターニャにプロポーズ!
直球武士・黒木くんのパターンとして当然での成り行きだが、嬉しさに頬を赤らめながらも、ターニャの表情は複雑。おそらく、ターニャもピアニストとして、まだやりたいことを残しているのでは-。
こちらの恋愛も、もうひとヤマありそうで…。

(それにしても黒木くん、ミュンヘンのホテルで”いきなり”ですか ^^)

♪♪♪

一方、”ぶー子”菅沼もまた一回り成長していた。
「本当に みんなを引っ張って行けるのか !?」
と菅沼を試す真一の懸念は、彼女が歌いだすや一瞬にして払拭される。

圧倒的な菅沼の”歌”-。のだめを含め、居残ったメンバー全員を納得させてしまう。押コンの”1位なしの2位”は伊達ではない。
(しかし、もちょっと痩せてたら1位なんだろな、やっぱし。)

美形の実力派・杏奈より、圧倒的な音楽の力と特異なキャラを持つ菅沼ぶー子に”脅威”を感じるのだめ。何と菅沼に真一を取られるのではと危惧している!のだめにしてみれば、二人の遣り取りはかつての真一とのだめを彷彿とさせるらしいのだ。ピアノに向っていても、菅沼の脅威がのだめの頭から離れない。^^)

ここのところ”のだめ上位”の二人に恋愛にとって、こういうのもまた良からん、というのが見守るヲヂサンの気分だが…。
こうして、恋愛譚に必須の”緊張”も2ルートで走らせながら、オペラ編はますます面白さを増してきた。

Photo♪♪♪

おなじみのキャラクターたちも勢揃いでその個性全開!
 ・ジャンケンで今回のコンマスを勝ち取った高橋の
  ”男の好み”は相変わらずウルサイ
 ・ボストンの女難から避難してきたはずの菊池は、もう
    ケータイ番号交換中(全く懲りない)
 ・ひっそりと練習場の様子を窺っていた大河内は、オケ
    の宴会開始とともに速攻ス巻き
 ・”夫の留守を守る”宴会女、キヨラは既に酔っぱらい

沙悟浄も、鈴木姉妹も、真澄も、三善家も、存在感を持って脇を固めているのは言うまでもないところ。
(片平の奥様って、声楽家だったのね…。)

♪♪♪

真一によるオペラ上演と、のだめのソロ・リサイタルを軸に音楽の世界を確りと描きつつ、確立したキャラクターたちの魅力を存分に活かし、さらに織り込む恋愛譚の”緊張”。
何という、高次元のバランス感覚だろう!

二ノ宮所長の才能は本当に計り知れない。驚くべきことに、「のだめ」は既に一旦完結しており、これはあくまで”番外編”に過ぎないのだ。それが、改めて信じ難い。映画なら、間違いなく「のだめII」が製作されるよなあ…。

-と、まあそんなことは考えずに、今はただひたすら、この「番外編」を思いっきり楽しませていただこう。


今回の一言^^):
「おまえは なにしに 来てるんだ !?  燃やすぞ !!」

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2009年12月19日 (土)

のだめカンタービレ アンコール/オペラ編 AKT 1

710「のだめ」アンコール!
のだめと真一が帰ってきた。「帰ってきた」の言葉にふさわしく、舞台は日本、お題はR☆Sオケのオペラ版!

「オレも 早くオペラが振りたい」

オペラを渇望し、ヴィエラのもとで研鑚する真一に届いた峰からの誘い-。
”市民オペラ+R☆Sオケ”による「魔笛」(モーツァルト)である。参加を即断した真一が日本でのオーディションに帰国し、番外編の幕は上がる。
(寸胴ナベに向かいながら峰と電話する真一のそばには、ゆる~い寝起きののだめの姿。二人は”相変わらず”のままご順調のようで…。^^)

♪♪♪

オーディションに臨む真一の前に現れたのは、”演出家・峰”(オフェンス峰^^)と”プリマドンナ菅沼”(ぶー子)

… 「だまされた -!!」

そう、新設の市民オペラ”白い薔薇歌劇団”は菅沼ぶー子の主宰によるものだった!今でもかな~り太めの彼女が主役・パミーナ…。

すっかりヤル気を失くした真一だったが、なし崩し的に取り込まれたオーディションで考えが変わる。
そこに集う個性的な声楽家たち…。何より真一の心を突き動かしたのは、声楽家たちの音楽への情熱だっただろう。
変貌を遂げた?真一旧知の実力派ソプラノ・杏奈、御年60才の”大先輩”、王子役に憧れる太目のヲヂサンテノール、ガッチャマン・・・。受からぬ者も含めて、音楽に向けられたその情熱には些かの偽りもない。真一の決意が固まる。

「化けそうな奴が 何人かいる
オペラ版のR☆Sオケか…
いけそうな 気がしてきた-」

♪♪♪

そして、初夏。
のだめを連れて再帰国、本番に向けての練習に臨む真一の姿があった。
”世界のNODAME”として、いや実は”真一の彼女”としての「凱旋帰国」にのだめはすっかり浮かれている。
(もちろん、のだめの気合メイクはやっぱりヒドい。)


ところが、のだめの「凱旋帰国」は全くの不発に終わる。
そりゃそーだ。

黒木くんが、あの”武士”が、ターニャを連れて帰ってきてしまったのだから、それ以上のサプライズなんて、あるわけないでしょが!
(しかし、ターニャの服も相変わらず…^^;)

♪♪♪

黒木&ターニャの登場に沸く練習場に、あの個性的なオペラメンバーが集結してきた。もちろんR☆Sオケのメンバーの顔も見える。さあ、役者は揃った!

柔らかなムードの中にも、確かに感じられる緊張。
おそらく、「鬼の千秋」がまた見られるだろう☆
そして、みな一回り成長した音楽家たちは、また更に高次元の音楽を創り上げていってくれることだろう。

幕開けはいつもワクワク-。
この”番外編”もその期待感を充満させながら、今スタートした。

♪♪♪

帰国したのだめも、日本では初となるソロコンサートに挑む由。その姿も近々見られるのではないかと期待する。
それにしても、3pに亘る冒頭カラーページがカラーでないのは残念。(〆切に間に合わなかったのかな?)コミックス化の際には豪華なカラーページでの収録を期待したい。

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2009年12月 1日 (火)

のだめカンタービレ #23

23「のだめカンタービレ」本編の最終巻である。

”遅れてきたのだめファン”の私としては、もう完結してしまったのかという淋しさは隠しようがない。2001年の連載開始に遅れること5年、私が「のだめカンタービレ」を完全に認知したのは2006年秋のことだったから…。

音楽なしでは生きていけない者の端くれである私にとって、この作品が提示した”音楽の桃源郷”には圧倒的な魅力があった。素晴らしい音楽、素晴らしい演奏は理屈抜きに聴くものの心に忍び込んでしまうものであって、それには誰も抗えない。
-そうした理想、そしてその理想に向かって天賦の才を開花させようとする若き音楽家たちの努力と苦悩。折々にハッと胸を打つ音楽の持つ魅力に鼓舞されながら進んで行くその姿に、自分の夢を重ねながら、熱い気持ちで見守った。

認め合い、喜び合う…。妬みや独尊のない、共通した音楽への愛情の下での真っ直ぐなキャラクターたちの遣り取り。その相互尊重が実に快い。
「のだめカンタービレ」は終始その標榜する”もっと愉快な音楽を”を貫き通した作品だった。

♪♪♪

溢れんばかりであったのだめの才能は、名匠オクレールに鍛え上げられ、そしてこれもまた懸命に研鑽する真一の音楽に常に触発され、遂に鮮やかな開華を迎えた。高次元の音楽の感動と喜びを知り、またその怖さも知ったのだめは迷走を極めることになったが、そののだめをまた引き戻したのも真一の音楽であった。
(「こいつの転機に オレが関わって 受け入れられたことは 一度もない!」とうち震えながら、腹を括ってピアノ・デュオで勝負に出た真一の姿は、全編の中でも最高に”男前”だったと思う!)

思えば「天使は オレか」という真一の独白通り、のだめという規格外才能が化学反応を示すとき、その触媒は初めから常に真一であったということだろう。
真一とのだめが音楽を通じ、一方ではある意味でそれを超越して深く結ばれた結末は、何よりも嬉しくHappyな気持ちにさせられるものだった。しかも、それが実にさりげなく描かれたことは、二ノ宮所長の美学そのものを示すものと思う。

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本作の結びが示すのは(連載終了時にも述べたが)、永遠のリフレイン。
未来永劫、喜びと苦悩を繰り返して音楽と向き合い、成長を続けていく音楽家たちの素晴らしい未来、のだめと真一が結ばれ続けることを確信させ、終幕を迎えた。

音楽に例えれば
「拡大された主題が高らかに再現され、ffで高揚する中、ティンパニ・ソロのdon-den-don-denに続き、jahaa-nnnと壮麗な和音を轟かせて終う」
といったエンディングではない。これだけの内容を持ち、人気を博した作品であるから、華々しく満腹感のあるエンディングを期待する向きもあっただろうが、敢えてそうしなかったのが二ノ宮所長の”選択”。所長の美意識と、本作に込められた願いの集大成であったと思っている。

これだけ音楽をめぐる愉快なドラマを見せていただいた、またそこに散りばめられた素敵な音楽と出遭うきっかけを下さった「のだめカンタービレ」には心から感謝をしたい。今、私が思うところはただそれだけである。
本当に愉しかった!

2
奇しくも、間もなく(2009.12.10.)”番外編”にて「のだめ」と早くも再会できる!
-このことからも判るように、「のだめカンタービレ」は連載をほぼ永遠に続け得る作品になっていた。それを意を決して「完結」とした二ノ宮所長の決断は尊重すべきであるし、時間芸術たる音楽を題材にした作品として、当然の帰結でもあったと考えるべきであろう。

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2009年10月24日 (土)

のだめカンタービレ THE LAST LESSON

643「のだめ」 完結-。

作者・二ノ宮所長が描いたエンディングは永遠のリフレイン。
さまざまな出来事や成長を経て、全てのキャラクターが何一つ変わることなく元通りに。そしてそれぞれが異なったシチュエーションの中で永遠に音楽の”夢”を追い求め、とどまることのない成長を目指し続けていく。
「音楽」を、その喜びを軸に形成されたキャラクターたちの絆もまた永遠であり、そもそも「音楽」が持つパワーというものを印象づけたエンディングである。

♪♪♪

Photoそしてラストシーンに選ばれた舞台は、のだめが演奏者としての自分を確立した、あのサンマロのコンサート再演。

「楽しんで弾くので 頑張って聴いてくだサイ」

という、のだめの音楽を象徴する科白で締めくくられた。
(もちろん「また それか」という真一の独白を- 彼がずっとのだめを見守り、いや見届け続けることを、さりげなく添えて…。)

♪♪♪

音楽は世界に無数に在る。
その一つ一つの魅力を採り上げ、それを元に若き音楽家たちの成長を描けば、「のだめカンタービレ」の連載はそれこそ永遠に続いただろう。
読者としてファンとして、まるで素晴らしい音楽演奏がいつまでも終わらずに続くことを願うように、そうした”継続”を望む気持ちは正直ある。
しかしだからこそ、ここで”完結”させた二ノ宮所長の潔さに喝采を贈りたい。だって、この作品が題材にした「音楽」というもの自体が、そのように「完結」するものなのだから…。
その意味でも、「のだめカンタービレ」は最後まで「音楽」を描いた作品であったのだと思う。

♪♪♪

しかるに、「番外編」の登場は必然。
(KISS PLUSに僅か2編を掲載し終了した)”バックステージ”では描き切れないとした所長の判断は賢明である。既にたくさんのキャラクターが立ちまくって、未だ触れるべきエピソードは山積なのだから、postludeは当然必要。

個人的には、何より「ラヴェルのコンチェルト」を渇望する。
のだめのピアノ、真一の指揮、黒木くんのコールアングレ…。

「のだめ」にも深く関られたOboe奏者・茂木大輔氏は、かつてバンドジャーナル誌上でこう語っている。

   個人的に、あるいは間接的に知っている人の演奏を
   きくと、感激する。自分たちの演奏には、一番感激
   するかもしれない。恋人の演奏にもだ。
   それを、否定してはならない。それで、いいのだ。
   自分の、身内の演奏に、素直に、感激しよう。
   しかし、その喜びは、高い目標に向って全員が努力
   したときに、もっとも
大きい、ということを忘れるな。


これは、率直な言葉で音楽の持つ大きな側面・真実を端的に伝えていると思う。-さすれば、のだめと真一の共演は如何なるものになるであろうか。

「それは千秋先輩とだけじゃなくて 世界中そんなのが一杯 あるはずだってわかったから」
と悟ったのだめにとっても、”真一”は「特別」なはず。
「特別」な二人が創る音楽は、間違いなく格別なものとなるだろう。その演奏にぜひ遇したいと願うのは、決して私だけではあるまい。

♪♪♪

音楽を愛し、接し続けていたからこそ「のだめカンタービレ」と出遭えたと思っている。感動と、思わずこぼれる愉快な笑いと、音楽って本当にいいよなぁって想いとを、たくさんたくさんいただいた。二ノ宮所長には、心から感謝申し上げたい。

「のだめカンタービレ」、とにかく最高でした。
こんな素敵な作品を、本当にありがとうございます。
BRAVA!

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2009年9月26日 (土)

のだめカンタービレ Lesson135

「今度こそ オレが 引き戻す-」
「やってみなけりゃ わからないだろう !?」
「絶対合わせてみせる !!」


ブラジルで自分の気持ちを確かめ、腹を括った真一。
ドア越しにのだめのベートーヴェンを聴き、落涙した真一。
その強い決意は揺らがなかった。

「もういい わかった」
と口にはしても、決して放り出すことはない。のだめを”攫って”音楽で勝負に出る。冒頭に掲げた真一の独白には、不退転の想いがこもっている。
こうなると、真一の男らしさは尋常ではない。全てを蹴散らし、真っ直ぐにのだめに向う。突然自宅に駆け込まれたニナ・ルッツの唖然とした表情がその迫力を物語る。

♪♪♪

のだめの本音は極めてシンプル、いつも通り。
自分の”やっちまった”快演にビビった先に考えたことは、一番大切な真一との共演で、あれ以上の演奏ができるのか、音楽の感動が得られるのかという不安だった。

また、それをストレートに伝えてしまうところが
「本当にヒドイ」(by 真一^^;)。

-音楽でなきゃ、ダメだ。
それが真一の結論。そんな状態ののだめを真一に、そして音楽の世界に引き戻すには、音楽を以ってしかないと判断し行動に出る。それは幼き日に、雅之やヴィエラから教えられていたことだったかも知れない。

♪♪♪

真一が選んだのは、二人の始まり=モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」だった。真一が強引に促して始めた二人のデュオにより、真一の音楽が直接のだめに対峙し、語りかける。
私も”音楽の力”を信じて已まない。
今、まさに真一の音楽がのだめの心を融かしたのだ!

-そう、そんな瞬間があるから音楽から離れられないんだなぁって、しみじみと共感させられる。洵に感動的なシーンであった…。

♪♪♪

演奏は結局メロメロになったのだめが”土石流”を起こし、終楽章はグダグダになってしまったけれど^^)、演奏を終えた途端、そこにはあの日のように、まさに真一に”飛びつく”のだめの姿があった。

これまで見たことのない満ち足りた表情で、そんなのだめを確りと抱きしめる真一が、凄くシンプルに、幸せな気分を溢れさせてくれる。

のだめは、還ってきたのだ。

Ds1_2
♪♪♪

次回、遂に大団円。
随分前から覚悟してきたことなのに、「完結」の文字に相当な動揺をしている自分にあきれる。

音楽は時間芸術 -始まって、終わる。その音楽は(たとえ録音はできても)もう二度と存在しない。素晴らしい音楽というのは、”これがいつまでも続いて欲しい”という感傷ももたらすが、最後の一音が響いたあの瞬間の感動こそが、いつも想像を絶するものになる -そういうものなのだ。

きっと「のだめカンタービレ」もそうなるだろう。
ファンとしてその瞬間を、素直な気持ちで待ちたいと思う。

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